サマリー
2027年3月期1Qは売上高1,147百万円(前年同期比▲21.3%)、調整後EBITDA▲667百万円。ライセンス型売上は645百万円(+10%)と、海外大手半導体メーカーからのAI用途法人ライセンス(Data for AI)追加受注を中心に、大型案件のあった前年同期を上回って拡大し、ライセンス型中心への収益構造転換が進展。減収は北米の新規整備完了に伴うプロジェクト型の反動減によるもので、経営陣は通期予想(売上70億円、調整後EBITDA+50百万円)を据え置いた。Hugging Faceでのデータセット公開、NVIDIA・MathWorksとの連携など、Data for AI事業の基盤整備も進展している。
ポイント(決算の要点と成長アクション)
- 経営戦略と市場認識
- フィジカルAI市場は年平均約30%成長の見通し、自動運転関連企業の枠を超えたデータインフラ企業への転換を志向。
- AI開発の3要素を計算資源・モデル開発・データと整理し、NVIDIAとは競合でなく補完関係と位置づけ。
- AI用途でも地域ごとの道路環境・交通ルールを反映した実世界データが必要であり、グローバル180万kmのカバレッジがワンストップ対応の源泉。
- 2026年6月のWP.29国際基準合意(2027年1月頃発効見込み)はODD管理・シミュレーション検証需要を押し上げる中長期の追い風と認識。
- 足元の事業進捗と要因
- ライセンス型売上はData for AIを中心とした法人ライセンス案件の拡大により前年同期比+10%と増加、収益構造転換が進展。減収は北米の新規整備完了によるオートモーティブプロジェクト型の反動。
- 売上原価は約4億円増(北米データ関連資産の減価償却費増と為替影響)、販管費は約7,000万円増。新規整備フェーズは概ね完了しており、今後はライセンス売上拡大に伴う回収局面へ。
- 従業員249名のうち約7割がエンジニア、日米の開発体制で技術優位を維持。
- 当社データ搭載車種は1車種増の計6社/39車種、車種名の開示許諾はお盆明けを見込む。
- 戦略的な重要施策や変化点
- 海外大手半導体メーカーへのData for AI提供が北米から欧州・韓国・日本へ拡大、新規顧客開拓の実績として活用。
- AIネイティブデータセットをHugging Faceで公開、約4,000件のダウンロードと商談・データ評価プロセスが進行。
- 東京流通センター構内を高精度3次元データ化し、平和島自動運転協議会参画企業へ提供。特定エリア展開のショーケース。
- 測量会社ロールアップの2号案件としてリカノスを2026年4月に買収完了、川下領域のM&Aも検討中。
今後の見通しと戦略
- 通期予想据え置き(売上高7,000百万円、ライセンス型3,000百万円、調整後EBITDA+50百万円)。1Q進捗率16.4%(当レポート試算)だが、前年同様に下期偏重の収益構造。
- 先進国の新規整備フェーズは概ね完了し、データ提供・更新フェーズへ移行。売上成長に伴う粗利率改善とEBITDAマージン改善を見込む。
- 中長期は粗利率80%超のライセンス型を軸に、売上成長率10〜30%を目標。
- AIネイティブデータは研究開発・ADAS開発用途から評価用途、その後の量産・車載用途へ展開する道筋を想定、中長期の成長ドライバーと位置づけ。
- M&Aは黒字企業を対象に測量会社の連続買収を継続、川上(調査解析・データ収集・3Dモデル化)と川下(GIS・シミュレーション・AR/VR・3DCG)の双方を対象。
- 中東は政府主導のスマートシティ投資を背景に有望市場と評価、27カ国目の新規整備案件も遂行中。新興国は市場性と投資効果を見極めて選別。
ポジティブ要因
- ライセンス型売上645百万円(+10%)、大型案件があった前年同期を上回り、収益構造転換が継続。
- 北米データの利用実績を評価されての欧州・韓国・日本データ追加受注、グローバルデータ資産のマネタイズが進展。
- Hugging Face公開後約4,000件のダウンロードと問い合わせ増、自動車メーカー・Tier1・自動運転開発会社・ロボティクス企業と商談進行。
- 点群データとHDマップを併用する3DGS生成により、実世界スケールの幾何精度と移動物体除去を両立、画像のみの生成手法と差別化。
- 北米交通当局向け橋梁・トンネル管理ソリューション提供開始、Esriパートナーネットワーク参画でDOT向けチャネルを拡張。
- 3Dmapspocket®は東京建物ほか大手不動産が採用、熊本地震被災地向けに無償公開し社会的用途も拡大。
懸念事項・リスク
- 調整後EBITDAは▲667百万円と前年同期比▲692百万円。通期+50百万円達成には残り9カ月で大幅な収益改善が必要で、ライセンス売上拡大とパイプライン案件の計上時期・規模が焦点
- 減価償却費293百万円(+80百万円)が原価を押し上げ、売上総利益は▲297百万円(前期+436百万円)。
- 顧客の開発計画・投資判断により受注時期や検収時期が変動するリスク。
- 3Dデータライセンスはインフラ管理・不動産開発への利用拡大が進む一方、売上貢献は途上(会社評価は△)。
- 為替は前提145円/ドルを上回って推移するが、海外費用との相殺で利益影響は限定的。
- 地政学的リスクの高まりと原油価格高騰による自動車業界への業績影響を事業環境リスクとして認識。
業績ハイライト
2027年3月期1Qは売上高1,147百万円(▲311百万円)、営業損失▲999百万円、調整後EBITDA▲667百万円。北米の新規整備完了に伴うオートモーティブプロジェクト型の反動減で減収となる一方、ライセンス型は法人ライセンスを中心に増加した。調整後EBITDAのマイナス幅は予算内で着地し、通期予想は据え置き。
セグメント別業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| ライセンス型 | 645百万円 | +10.0% | ― | ― |
| プロジェクト型 | 502百万円 | ▲370百万円 | ― | ― |
| 合計 | 1,147百万円 | ▲21.3% | ▲999百万円 | ▲803百万円 |
- 国内売上高: 142百万円 (前年同期比 ▲62.2%)
- 海外売上高: 1,005百万円 (前年同期比 ▲7.2%)
- 売上総利益: ▲297百万円 (前年同期 436百万円)
- 販売費及び一般管理費: 702百万円 (前年同期比 約+70百万円)
- 減価償却費: 293百万円 (前年同期比 +37.6%)
- 親会社株主に帰属する当期純損失: ▲980百万円 (前年同期 ▲285百万円)
- 現金及び預金: 4,253百万円 (2026年3月末比 +595百万円)
- データ搭載車種: 計6社/39車種
- 高精度3次元データカバレッジ: 180万km※前年同期比の一部は当レポート試算
Q&A 一覧
- Q: レベル3、4自動運転に関する国際基準が2026年6月のWP.29で合意されたと承知しているが、当該国際基準の合意が貴社ビジネスに与えると想定される影響について解説をお願いしたい。A: 今回のWP.29の国際基準合意は、自動運転の社会実装に向けた非常に重要なマイルストーンと捉えている。今回の制度整備で、ODD、どういう条件でどこを走っていいのか、自動運転をオンにしていいのかというODDの管理、安全性の評価、運用後のモニタリングなどの重要性が高まると想定されている。特に自動運転の安全性証明についてはシミュレーションの活用が拡大する方向にあり、本日ご確認いただいたような高精度3次元データを活用した評価・検証ニーズの拡大が期待される。社内でも法整備に伴ってODD管理やシミュレーション評価のユースケースが拡大すると見ている。当社が保有する高精度な3次元データは、車載のライセンスに加えて、安全性評価やODD管理など、いわゆるData for AIと呼んでいる用途での活用が可能であり、中長期的に事業機会の拡大につながる可能性がある。一方で、今回の制度整備自体が直ちに売上や利益に大きく影響するものではなく、今後の自動運転市場の拡大を支え、当社の事業拡大につながると捉えている。
- Q: ホームページや動画等で、高精度3次元データを搭載した車種、今後1〜2年で搭載予定の車種などを紹介してほしい。A: 当社の高精度3次元データが実際の車両やサービスでどこに使われているかは、投資家の皆様の関心が高いテーマであると普段お話しする中でも認識している。可能な限り説明会の場やプレスリリース、SNSを通じて情報発信していきたいと考えているが、個別の車種や今後の搭載計画については、自動車メーカーやその取引先との契約上の制約から開示できない場合があることはご理解いただきたい。特に将来の採用計画のところは、お客様である自動車会社等の商品計画や公表タイミングとの関係もあり、当社から開示できる情報は限定される。例えば今回39車種目に搭載が決まったと申し上げているが、まだ具体的なモデル名は開示許可が下りていないためお伝えできない。ただ、お盆明けぐらいには許諾が取得できるのではないかということでプロセスを進めているので、お待ちいただきたい。当社としては開示可能な範囲において、導入事例や活用事例、搭載実績についてホームページや説明会資料などを通じて、できるだけ分かりやすく情報発信に努めてまいりたい。
- Q: 海外パートナーネットワーク参画のIRを出されているが、データ提供のターゲットとなる自治体や道路管理者への貴社北米子会社からの営業は活発に行われているか。東京建物への3Dmapspocketのデータ提供は日本本社の営業努力により獲得された商談と推測するが、同様の営業努力が北米子会社で行われているか。除雪支援や空港関係等、日本での取り組みの北米での横展開にも期待している。A: Esri社はアメリカ・カリフォルニアに本社を構える世界最大のGISソフトウェアの会社で、そのパートナーネットワークに参画したことについてのご質問と理解している。北米における自治体、米国州交通局、いわゆるDOT等に対する営業活動も、子会社のDMPノースアメリカを通じて積極的に行っている。すでに複数のDOT向けに提案活動を展開しており、本日パイプラインでもアップデートしたとおり、現在実証実験などに向けた引き合いもいただき、複数の商談を進めている状況である。また先般発表した北米の交通当局向けの橋梁・トンネル管理のソリューション提供など、受注実績も着実に出始めている。Esri社との連携については、公共分野向けのインフラ管理やインフラ事業者向けの販売チャネルの拡大を目的として今回パートナーネットワークに参画した。自動運転向けに整備した高精度3次元データを、インフラ管理や都市計画といった分野に展開する施策の重要な1つと位置づけている。DMPノースアメリカでも自動運転向けのデータ提供に加えて、道路インフラ管理や公共分野向けの営業活動を行っており、Esriとの連携もその活動の一環である。除雪支援や空港向けの取り組みについても、日本で実績を積んで海外で展開していく方針である。これらはアメリカでの市場ニーズも高いと考えており、海外での横展開にも積極的に取り組んでいきたい。
- Q: 自動運転以外のビジネス。不動産、建設、ドローン、ゲーム用途など具体的ビジネスプランがあれば紹介お願いします。A: 現時点では自動車関連事業が売上の過半を占めるが、自動運転向けに構築したデータ資産を活用し、不動産、建設・インフラ、物流、AI、エンターテインメントに限らず空港、港湾、工場、物流施設等での自動化などへの展開を進めることで、中長期的な事業領域拡大を目指している。
- Q: Q1の調整後EBITDAは計画通り進捗しているのか。また、第1四半期実績を踏まえて通期業績予想を見直す必要はないのか?A: 第1四半期の調整後EBITDAは、前年同期比では減益となった。一方で、社内計画との比較では、調整後EBITDAのマイナス幅は想定内、むしろ想定より良い水準で着地した。ライセンス型売上は、AI用途を中心とした法人ライセンス案件の拡大により前年同期を上回っており、ライセンス型中心への転換は引き続き進展している。当社の法人ライセンス案件やプロジェクト案件は、年度後半に売上計上が偏る傾向がある。現時点では、通期業績予想の前提としている案件進捗に下振れはなく、通期業績予想は変更していない。引き続き、案件進捗を慎重に見極めながら適切に開示していく。
- Q: 売上原価及び販管費が前年同期比で増加している要因は何か?A: 売上原価は4億円、販管費は7千万円、いずれも前年同期比で増加している。売上原価の増加要因は、主に北米事業における高精度3次元データ関連資産の減価償却費増加及び為替影響である。当社はこれまで北米を含むグローバルで高精度3次元データの整備を進めてきており、データ資産の増加に伴い減価償却費も増加している。前年度比で粗利が落ちた理由の大半は、過去に投資した分の減価償却である。一方で、先進国を中心とした新規整備フェーズは概ね完了しており、現在は提供・更新フェーズへの移行を進めている。したがって、中長期的には減価償却が終われば収益性向上につながる事業構造への転換を進めている。販管費については7千万円増加している。これはM&A関連費用、新規事業開発関連費用、為替影響が主な増加要因である。特に、測量会社ネットワーク化に向けたM&A関連費用や、Data for AIを含む新規事業開発に関連する費用については、単なるコスト増ではなく、将来のデータ整備・更新能力の強化、グローバルデータ資産の活用、ライセンス型売上拡大に向けた事業基盤強化の側面もある。なお、通期での販管費は、前年度対比で増加しない見込みであり当社としてはコストコントロールに取り組んでいく。
- Q: 通期業績予想を達成する上で、現時点での下振れリスクは何か。案件の期ズレやData for AI需要の立ち上がりなど、特に注意すべき点についてどのように考えているか。A: 通期予想が下振れするリスクとしては、一つは一番大きな外部環境の変化が挙げられる。例えば自動運転市場の立ち上がりが想定より遅れる、景気後退によって顧客の投資意欲が減退するといったマクロ要因が考えられる。また、自動運転やData for AI関連のプロジェクトは規模が大きくなる傾向にあるため、お客様側の開発計画や投資判断によるものもあると思っている。こうしたファクターによって、Data for AIを中心とした各案件において、受注時期、検収時期、計上時期、案件規模が変動するリスクが一番大きいのではないかと思う。これらのリスクは認識しているものの、足元の案件状況や進捗を踏まえて、現時点で通期の業績予想を変更する必要はないと判断している。
- Q: 通期業績予想の前提為替は1ドル145円とのことだが、足元ではそれを上回る水準で推移している。それでも業績予想を据え置くということは、為替の追い風以外に慎重に見ている要因があるのか。為替感応度や上振れ可能性について教えてほしい。A: 当社の今期の業績予想の前提となる為替レートは1ドル145円を前提として期首に策定している。足元の為替水準は当初前提を上回って推移しており、海外の売上に対してはプラス要因となる。一方で利益への影響という点では、海外の売上に見合った費用もまた海外で発生するため、売上と費用が相殺されて為替影響は限定的になる。為替感応度については開示していないが、当社の場合、海外売上高比率が高い一方で、海外事業にかかる費用の多くも現地通貨建てで発生しているため、利益ベースでの為替変動リスクは売上高の変動に比べるとある程度ヘッジされていると考えている。また業績予想を据え置いている理由だが、為替の追い風がある一方で、プロジェクト型案件の受注タイミングや一部のライセンス案件の立ち上がり時期など、事業環境の不確実性を考慮している。特に海外の大型案件などにおいては、顧客の意思決定のタイミングによって売上計上の時期が変動する可能性があるため、現時点では慎重に状況を見極めている。加えて昨今の為替相場は短期間で大きく変動する可能性があり、足元でも市場環境によって値動きが大きくなっていることは認識している。当社として一時的な為替変動のみを前提に業績予想を見直す考えはなく、今後の案件の進捗や為替の影響を総合的に勘案して、業績予想の修正が必要と判断した場合には適切に開示してまいりたい。
- Q: AIネイティブデータについては成長領域として期待しているが、実際に業績へ本格的に貢献し始めるタイミングをどのように見ているか。いつ頃から売上や利益に本格的に寄与すると見ているのか、短期的な売上貢献なのか、中長期の成長ドライバーなのかも含めて教えてほしい。A: 当社としてAIネイティブデータは、まずは研究開発用途、ADASの開発に使われ、次に評価の用途で採用され、その後それをベースにした車が出てきたら量産用途や車載用途に展開していくことを想定している。今期はAIネイティブデータの生成と顧客提案にリソースを集中投下している。Hugging Faceでのデータ公開により世界中にデータを見ていただき、お客様へのご提案、商談も着実に進んでいる。具体的に需要があることは確認している。加えて本日ご説明したとおり、NVIDIAなどこの領域のビッグプレイヤーとも連携を始めている。市場の立ち上がりに合わせて成長させていきたいと考えており、中長期的に重要な成長ドライバーになると期待している。
- Q: NVIDIAやMathWorksと連携してAIネイティブデータを提供するとのことだが、NVIDIAが本格参入すればDMPは不要になるのではないか。DMPはどの部分で価値を発揮できるのか?A: 当社は、NVIDIAとは競合する関係ではなく、補完関係にあると考えている。自動運転をはじめとしたフィジカルAI開発においては、計算資源、モデル開発、データの3つが重要な構成要素になる。NVIDIAはAIのための計算資源であるGPUを生業としており最近では「AIファクトリー」と呼ばれている。計算資源を提供するプレイヤーは、GPUの消費量が増えてAIが使われることを目的にオープンなエコシステムを作っている。一方、DMPは、実世界の道路を高精度に再現した3次元データ、HDマップ、点群、画像、Semantic情報などを世界で最も多く有している。フィジカルAIでは、AIが現実世界で動作することを前提とするため、実世界の道路環境、交通ルール、標識、車線、道路構造などを正確に反映したデータが重要になる。NVIDIAやMathWorksと連携できていることは、当社のデータ資産や技術ノウハウがAI開発エコシステムの中で有用であることを示す一つの事例と捉えている。残る要素はモデル開発である。NVIDIAが提供する計算基盤とエコシステムのなかで当社は現実世界データ基盤を提供するという役割分担で、世界中の企業がモデル開発を進めていくことを企図している。もちろん、モデルは学習しただけでは不十分で、検証・評価・認証取得などが必要となりそれごとにデータは必要となる。もちろん、これはNVIDIAだけに限った話ではなく、他の企業も同様の考え方で自動運転をはじめとしたフィジカルAIの開発を進めている。当社としては、AIが進化するほど、高品質な現実世界データの重要性も高まると考えており、AI時代の現実世界データ基盤として価値を提供していきたい。
- Q: AIネイティブデータの生成においてNVIDIA等との連携が進んでいるが、この領域で競合となる企業はどこを想定しているか。また、大手テック企業が自社で同様のデータを整備してくるリスクについてどのように考えているか。A: まずNVIDIAとは全くもって競合する関係ではなく、補完関係にあると考えている。自動運転をはじめとしたフィジカルAIの開発においては、重要な要素が3つあると認識している。1つは計算資源、1つはモデルの開発、3つ目がデータである。NVIDIAはAIのための計算資源であるGPUを生業にしているプレイヤーで、最近では彼らがAIファクトリーと呼んでいる。この計算資源を提供するプレイヤーは、GPUの消費量が増えてAIが使われることを目的に、それが使いやすいようなエコシステムをオープンに形成している。一方で我々は、実世界の道路を高精度に再現した3次元データ、そこから生成した高精度3次元データ、生の点群データ、画像データ、そこに意味情報を持たせたセマンティック情報を世界で最も多く保有している。フィジカルAIではAIが現実世界で動作することを前提とするので、実世界の道路環境や交通ルール、標識、車線、道路構造といったことを正確に反映してAIが理解する必要がある。今、NVIDIAやMathWorksと連携できていることは、当社のデータ資産や技術ノウハウがAI開発のエコシステムの中で有用であることを示す1つの事例だと捉えて本日ご紹介している。残る要素は3つ目のモデル開発だけだが、NVIDIAが提供するAIファクトリー、計算基盤とエコシステムの中で、当社が現実世界のデータを提供するという役割分担で、世界中の企業がモデル開発を進めていくことを意図して進めている。もちろんモデルは学習しただけでは不十分で、検証や評価や認証取得が必要となり、それぞれにデータが必要となる。これはNVIDIAだけに限った話ではなく、他にも様々な企業が計算資源の提供やモデル開発を進めている中で、現実世界を高精度にデジタル化したデータを持つ当社は、特定のプラットフォームに依存することなく幅広くデータを提供するポジションにあると考えている。したがって当社のデータは、AIの学習評価において有用なものである。その上で長期的には、現実世界から収集したデータから分析、予測、制御を行い、再び現実世界へフィードバックするという、いわゆるサイバーとフィジカルのループを支える企業グループとして、社会や産業を支えるデータインフラの企業になっていきたい。
- Q: 熊本地震による業績影響について教えてほしい。A: 2026年7月に発生した令和8年熊本地震により、一部地域において道路形状等が変化し、当社が保有する高精度3次元地図データとの乖離が生じていることを確認している。当社としては、発災直後から対象エリアの状況確認及び対応方針の検討を進めている。現時点では、データ更新費用等が発生する可能性があるものの、対象範囲及び費用の合理的な見積りが困難であることから、業績への影響額は未定である。今後、業績に重要な影響を及ぼすことが判明した場合には、適切に開示していく。
- Q: フィジカルAI時代に、DMPはどのような会社を目指しているのか?A: 当社は、フィジカルAIを支える現実世界データのプラットフォーマーとしてのポジションを確立していきたいと考えている。フィジカルAI時代においては、AIモデルそのものに加えて、どの様な現実世界データを使って学習・検証・運用するかが競争力の源泉になる。当社のデータは、本日ご確認頂いた通りAIの学習・評価・検証、シミュレーションにおいて有用なものです。そのうえで、長期的には、現実世界から収集したデータから分析・予測・制御を行い、再び現実世界へのフィードバックというサイバー・フィジカル・ループを支える企業グループとして、社会や産業に不可欠なデータインフラ企業を目指していく。
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