LAホールディングス 通期 決算速報

DX新築不動産事業が売上+55.6%、利益2.2倍と牽引し営業利益100億円の大台突破。来期は売上610億円、営業利益175億円と成長加速を見込む決算

2026年2月13日 15:40 JST

通期決算を踏まえた評価点

営業利益100億円超(前年比+30.2%)、営業利益率21.5%(同+4.3pt)と収益性が顕著に向上。DX新築不動産事業のセグメント利益が76億円(同+121.9%)と倍増し、全社利益の約67%を占める中核ドライバーとして確立された。公募増資による資本増強と総資産1,000億円突破が、成長加速フェーズへの移行を鮮明に示している。

  • 売上総利益率28.7%(前年差+3.2pt)に改善。売上原価が前年とほぼ同水準(331億円)で推移しつつ売上が増加、高付加価値化戦略の成果が顕在化
  • DX新築不動産事業が収益不動産6棟販売+分譲マンション2棟竣工で売上202億円(前年比+55.6%)、セグメント利益76億円(同+121.9%)と急拡大
  • 公募増資等による約74億円の資本調達を実施し、自己資本比率は29.3%(前年差+4.1pt)へ上昇。総資産1,019億円と1,000億円の大台を突破
  • 配当性向目標を「30%以上」から「40%」へ引き上げ。年間配当338円(前年比+46円)、来期予想520円と積極的な株主還元姿勢
  • 販管費が33億円(前年比▲9.3%)と削減。売上高販管費率7.2%(前年差▲1.1pt)と効率改善が進展

通期決算を踏まえた懸念点

DX新築不動産事業への利益集中が進む一方、再生不動産・価値向上事業の減収減益が目立つ。有利子負債655億円(前年比+36.8%)、営業CFが▲113億円と棚卸資産積み上げに伴うキャッシュアウトが拡大しており、金利上昇局面でのコスト負担増リスクに留意が必要。

  • DX再生不動産事業は売上132億円(前年比▲16.2%)、セグメント利益13億円(同▲41.5%)と減収減益。高価格帯シフトに伴い販売戸数が減少
  • DX不動産価値向上事業は売上119億円(前年比▲19.7%)、セグメント利益19億円(同▲35.1%)と縮小。案件の期ずれリスクが顕在化
  • 営業CFは▲113億円(前年▲17億円)と資金流出が急拡大。棚卸資産が179億円増加し、販売用不動産+仕掛販売用不動産の合計は653億円へ膨張
  • 支払利息は9.8億円(前年比+54.4%)と急増。金利上昇局面での借入コスト増が経常利益率を圧迫する構造
  • 来期業績予想は売上高610億円(+31.1%)・営業利益175億円(+74.6%)と野心的。計画未達時の市場インパクトに注意

注目点/今後確認したいポイント

  • 来期売上高610億円、営業利益175億円の計画達成に向けた大型案件パイプラインの具体的な進捗。特にDX新築不動産事業における収益不動産開発の竣工・販売スケジュールと、福岡における最大規模の土地開発案件の収益貢献時期
  • 棚卸資産653億円の回転期間と販売見通し。金利上昇局面における在庫保有コストの増加と、営業CFの黒字転換時期の見極め
  • DX再生不動産事業における「BILLION-RESIDENCE」(1戸10億円超)投入の市場反応と、高価格帯シフトに伴う販売戸数・回転率への影響
経営陣への論点
  • 来期売上高+31%、営業利益+74%という予想の前提条件。大型案件のパイプライン内訳と竣工、引渡しスケジュールの具体像
  • 棚卸資産653億円の平均保有期間と、今後1年間の販売計画に対する仕入済み在庫のカバー率
  • 金利上昇シナリオ(+50bp/+100bp)における支払利息増加額の試算と、金利スワップ等によるヘッジ方針
  • DX再生不動産事業の減収減益は一過性か構造的か。高価格帯「プレミアム・リノベーション」の年間販売戸数目標と1戸当たり粗利率の見通し
  • 「BILLION-RESIDENCE」(1戸10億円超の邸宅)のターゲット顧客層と初年度の販売目標は。在庫リスクの管理方針
  • セグメント区分変更の意図と、DX不動産価値向上事業の中長期的な売上規模目標
  • M&A支援事業・企業投資事業の業績予想への織り込み状況と、今後の収益貢献見通し
  • 配当性向40%目標の持続可能性。成長投資との両立に関する資本配分方針
  • 公募増資による希薄化(期中平均株式数13.0%増)を上回るEPS成長の担保

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年比
売上高46,544百万円+4.1%
売上原価33,171百万円▲0.4%
売上総利益13,372百万円+17.4%
販管費3,348百万円▲9.3%
営業利益10,024百万円+30.2%
経常利益8,956百万円+30.8%
親会社株主に帰属する当期純利益6,135百万円+30.2%
EPS874.92円+15.2%
1株当たり純資産3,908.48円+34.1%
売上高営業利益率21.5%前年差+4.3pt
売上総利益率28.7%前年差+3.2pt
自己資本当期純利益率(ROE)25.7%前年差▲2.9pt
総資産経常利益率10.3%前年差±0.0pt
包括利益6,162百万円+30.8%

売上高は前年比+4.1%と小幅増にとどまったが、売上原価が前年とほぼ横ばいの中で売上総利益率が3.2pt改善。販管費も▲9.3%削減した結果、営業利益は+30.2%の100億円超を達成。増益率と増収率の乖離は、高付加価値化戦略の成果を端的に示している。EPSは874.92円(前年759.38円、+15.2%)だが、公募増資による期中平均株式数の増加(6,206千株→7,012千株、+13.0%)が押し下げ要因。

事業セグメント別の業績

セグメント名売上高前年比セグメント利益前年比利益率
DX新築不動産事業20,226百万円+55.6%7,662百万円+121.9%37.9%
DX再生不動産事業13,240百万円▲16.2%1,339百万円▲41.5%10.1%
DX不動産価値向上事業11,931百万円▲19.7%1,958百万円▲35.1%16.4%
不動産賃貸事業1,118百万円+13.7%494百万円+4.6%44.2%
その他(仲介等)27百万円▲59.2%424百万円▲19.3%-
好調な事業
  • DX新築不動産事業:売上+55.6%・利益+121.9%。収益不動産開発で「THE EDGE恵比寿」「A*G」シリーズ3棟など計6棟を販売。分譲マンション2棟(沖縄)竣工・引渡し開始も寄与。主要顧客としてボルテックス向け売上56億円を計上
  • 不動産賃貸事業:売上+13.7%。ヘルスケア施設の取得及び保有資産の安定稼働が寄与し、利益率44.2%と高水準を維持
不調な事業
  • DX再生不動産事業:売上▲16.2%・利益▲41.5%。「プレミアム・リノベーション」の1戸当たり平均販売価格は357百万円(前年比+31.3%)に上昇したが、高価格帯シフトに伴う販売戸数減が響き減収
  • DX不動産価値向上事業:売上▲19.7%・利益▲35.1%。土地価値向上業務6件、インベストメント業務7件を販売したものの、前年の大型案件(前年は霞ヶ関キャピタル向け80億円)の反動で減収

業績予想比の進捗率

通期実績は期中2度の上方修正を経た最終予想(2025年12月2日修正:売上高460億円、営業利益98億円、純利益60億円)に対し、売上高は101.2%、営業利益は102.3%、純利益は102.3%と、いずれも計画を上回って着地。当初予想(2025年2月14日公表:売上高510億円、営業利益82億円)比では、売上高は未達(91.3%)だが営業利益は+22.3%の超過達成となり、収益性の向上が計画を大きく凌駕した格好。

勘定科目通期実績最終修正予想(12/2)達成率
売上高46,544百万円46,000百万円101.2%
営業利益10,024百万円9,800百万円102.3%
純利益6,135百万円6,000百万円102.3%
  • 不動産販売事業は物件の竣工・引渡し時期に売上が集中するため、四半期ごとの業績変動が大きい。大型収益不動産の販売時期や分譲マンションの竣工時期により、上期・下期の偏りが生じやすい構造

業績予想の変更有無

当期中に2度の業績予想修正を実施。2025年12月2日に通期業績予想を上方修正(2回目)。売上高は当初予想510億円→460億円へ引き下げた一方、営業利益は82億円→98億円、純利益は51億円→60億円へ引き上げ。高付加価値化による収益性向上が主因。一部プロジェクトの販売を来期以降に繰り延べたことが売上減額の要因。

来期(2026年12月期)予想は以下の通り。中期経営計画の最終年度として野心的な計画を提示。

  • 売上高:61,000百万円(前年比+31.1%)
  • 営業利益:17,500百万円(同+74.6%)
  • 経常利益:16,700百万円(同+86.5%)
  • 純利益:11,600百万円(同+89.1%)
  • EPS:1,520.37円

株主還元への言及

配当方針を変更し、配当性向目標を「30%以上」から「40%」へ引き上げ。2025年12月期の年間配当は338円(中間165円、期末173円)、配当性向38.6%。来期(2026年12月期)は年間520円(中間175円、期末345円)を予定し、前年比+182円の増配見込み。配当原資には資本剰余金を含む。

また、決算発表と同日に資本金及び資本準備金の減少を決議。資本金4,913百万円のうち2,913百万円、資本準備金4,163百万円のうち3,663百万円を減少させ、その他資本剰余金へ6,577百万円を振替え。配当原資の確保と資本政策の柔軟性向上が目的。

財務状況

公募増資(約74億円調達)と利益蓄積により自己資本は298億円(前年比+65.9%)へ拡大し、自己資本比率は29.3%(前年差+4.1pt)に改善。一方、事業拡大に伴い有利子負債は655億円へ増加。総資産1,019億円は前年比+43.1%と急拡大し、成長投資フェーズにある財務構造。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
総資産101,949百万円前年比+43.1%
└ 流動資産合計90,811百万円前年比+43.8%
└ 現金及び預金23,059百万円前年比+70.2%
└ 販売用不動産28,344百万円前年比+57.1%
└ 仕掛販売用不動産37,042百万円前年比+26.3%
└ 固定資産合計11,129百万円前年比+37.4%
純資産29,949百万円前年比+65.2%
自己資本29,820百万円前年比+66.0%
有利子負債合計65,595百万円前年比+36.8%
└ 短期借入金17,029百万円-
└ 1年内返済予定の長期借入金12,548百万円-
└ 長期借入金35,098百万円-
└ 社債(流動+固定)920百万円-
現金及び現金同等物22,939百万円前年比+70.9%
EBITDA10,246百万円営業利益10,024+減価償却費221

(注)営業CFがマイナスのためキャッシュ・フロー対有利子負債比率・インタレスト・カバレッジ・レシオは算出不能(会社開示でも「-」表記)。

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/02/13
    資本金及び資本準備金の額の減少を決議。資本金のうち約29億円、資本準備金のうち約36億円を減少させ、配当原資の確保と資本政策の柔軟性向上を図る(決算短信 重要な後発事象に記載)

足許四半期中の主要発表

  • 2025/11/13
    2025年12月期 第3四半期決算短信を発表。同時に配当予想の修正を発表
  • 2025/12/02
    通期業績予想を2度目の上方修正。営業利益を従来予想82億円→98億円へ引き上げ(売上高は510億円→460億円へ減額修正)。配当も年間333円→335円に増額 業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • 脇田栄一(代表取締役社長): 13.71%→11.49%(2025/07/30届出)- 保有株数に変動なし、発行済株式数の増加(公募増資)に伴う希薄化による比率低下
  • サマーバンク合同会社: 7.43%→7.34%(2025/11/04届出)- 保有株数に変動なし、発行済株式数の増加に伴う比率低下
  • サマーリバー合同会社: 5.28%→5.22%(2025/11/06届出)- 保有株数278,700株で変動なし、発行済株式数の増加に伴う比率低下
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