2Q決算を踏まえた評価点
コラボテクノのPL連結前となる実質単体ベースで、売上高624百万円(会社開示の前年比+42.1%)と上期計画611,870千円に対し102.1%で着地。前年同期の営業赤字から営業利益13百万円・経常利益16百万円へ黒字転換し、粗利率も45.8%へ改善。事業譲受による上流人材の寄与とAIプロダクト単価上昇が収益構造改善を牽引。
- 売上高624百万円(前年比+42.1%)、上期計画比102.1%。AIソリューション388百万円(同+44.4%)が伸長を主導
- 売上総利益率45.8%(前年同期35.7%、当レポート試算で+10.1pt)。FD-X・NaNa導入による原価・販管費構造の改善とFDEの高付加価値案件比率上昇が寄与
- 営業利益13百万円・経常利益16百万円と黒字転換(前年同期はいずれも△36百万円)。EBITDA41,956千円も黒字化(会社開示)
- AIプロダクトのアカウント当たり平均単価7.2百万円(同+53%)、アカウント数32社と回復トレンド。単価重視戦略が奏功
- 自己資本比率82.5%、現預金1,098百万円に対し有利子負債66百万円と実質無借金。年間1〜3億円の戦略投資枠を自己資金で賄う余力を確保
2Q決算を踏まえた懸念点
親会社株主に帰属する中間純損失△6百万円と最終赤字が継続。通期営業利益101百万円に対し上期進捗13.7%と下期偏重の計画であり、コラボテクノ連結(3Q以降)とFDE案件の立ち上がりが達成の前提となる。のれん357百万円は総資産の17.7%(当レポート試算)を占め、償却負担とPMI進捗の確認が必要。
- 法人税等合計22,455千円(うち法人税等調整額16,973千円)の計上により、税前利益15,927千円ながら中間純損失△6,527千円
- 通期営業利益101百万円に対し上期13百万円(進捗13.7%)。下期に87百万円の営業利益積み上げを要する計画
- のれん残高357百万円。3Qからのコラボテクノ連結でのれん償却費が増加し、営業段階の利益を圧迫する構図
- 投資CF△283百万円(事業譲受の条件付取得対価258,027千円等)で現金及び現金同等物は期首比△219百万円の1,098百万円
- AIプロダクト比率37.8%は中期目標70%と乖離
注目点/今後確認したいポイント
- 3Qから連結するコラボテクノのPL寄与額と、のれん償却費を上回る上乗せ営業利益・EBITDAの実現度
- 下期計画(売上825百万円、営業利益87百万円、営業利益率10.6%)の受注裏付け。共同提案パイプラインの案件化スピード
- AIプロダクト比率の引き上げ道筋。Terry2 mini・FAST-Dのアカウント積み上げとストック収益(ARR)の可視化
- VAAP戦略によるARR型収益モデルへの転換進捗。プラットフォーム企業としてのマルチプル再評価につながるかが中期の焦点
- 下期営業利益87百万円の内訳(既存事業/コラボテクノ/FDE新規)の切り分け
- コラボテクノののれん回収前提(3〜5年以内のEBITDA回収)の具体的な達成シナリオ
- AIプロダクト比率70%への到達時期と、そこに至るARR・NRRの中期目標値
- Voice AI Agent Platform戦略投資枠(年1〜3億円)の投資判断基準と2026年内の想定執行額
- FDE人材の採用・稼働率計画、および現場常駐モデルにおける粗利率の目線
主要業績ハイライト
(2026年12月期中間期は連結財務諸表の作成初年度であり、短信上の前年同期比較は非記載。前年比は会社が決算説明資料で開示した単体ベースの比較)
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 624百万円 | +42.1%(会社開示) |
| └ AIプロダクト | 236百万円 | +38.4%(会社開示) |
| └ AIソリューション | 388百万円 | +44.4%(会社開示) |
| 売上総利益 | 285百万円 | - |
| └ 売上原価 | 338百万円 | - |
| 販売費及び一般管理費 | 271百万円 | - |
| 営業利益 | 13百万円 | 黒字転換(前年同期△36百万円) |
| 経常利益 | 16百万円 | 黒字転換(前年同期△36百万円) |
| 親会社株主に帰属する中間純損失 | △6百万円 | 損失縮小(前年同期△29百万円) |
| EPS | △1.62円 | - |
| EBITDA | 41百万円 | 黒字転換(会社開示) |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | +64百万円 | - |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △283百万円 | - |
売上総利益率45.8%は前年同期35.7%から改善(当レポート試算、前年同期は単体ベース)。法人税、住民税及び事業税5,481千円に法人税等調整額16,973千円を加えた法人税等合計22,455千円の計上により、税金等調整前中間純利益15,927千円に対し中間純損失△6,527千円となった。
事業セグメント別の業績
「AI×音」サイエンス事業の単一セグメントのため、短信上のセグメント別記載は省略。会社は決算説明資料でAIプロダクト/AIソリューションの売上内訳を開示しており、両カテゴリーとも前年比で伸長。コラボテクノは、みなし取得日を2026年6月30日としており、当中間期は貸借対照表のみ連結(PL寄与は3Q以降)。
セグメント別業績表
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 「AI×音」サイエンス事業(単一セグメント・全社) | 624百万円 | +42.1% | 13百万円 | 黒字転換 | 2.2% |
- AIソリューション(FDE):売上388百万円(+44.4%)。プロジェクト数88件(前年同期79件、+11%)、複数月・大型契約増で平均単価4.7百万円へ上昇
- AIプロダクト(音声認識):Voice Contactの基盤拡張案件とライセンス更新が推移。ZMEETINGは大手金融機関の業務効率化に採用
- AIプロダクト(異音検知):FAST-Dが2026年6月に四国電力へ提供開始。守山市の漏水検知は4月に社会実装フェーズへ移行
- AIプロダクト全体:売上236百万円(+38.4%)と伸長もソリューション比率上昇でプロダクト比率37.8%にとどまり、中期目標70%と乖離
業績予想比の進捗率
上期売上高は通期計画1,450百万円に対し43.1%と会社計画線上で推移する一方、営業利益は13.7%、経常利益は16.4%と下期偏重。会社は下期にコラボテクノ連結とFDE事業の本格化を織り込み、下期売上825百万円・営業利益87百万円(営業利益率10.6%)を見込んでおり、達成にはPMIシナジーの早期発現が前提となる。
| 勘定科目 | 数値(中間期累計) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 624百万円 | 1,450百万円 | 43.1% |
| 営業利益 | 13百万円 | 101百万円 | 13.7% |
| 経常利益 | 16百万円 | 100百万円 | 16.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △6百万円 | 31百万円 | - |
| EBITDA | 41百万円 | 167百万円 | 25.0% |
- 会社計画は下期偏重。下期に売上825百万円・営業利益87百万円を配分し、通期営業利益率7.0%を見込む
- コラボテクノのPL連結が3Qから開始するため、上期と下期で連結範囲が異なる
業績予想の変更有無
コラボテクノの子会社化に伴い、2026年2月13日公表の単体ベース通期予想を連結ベースへ修正。売上高・各利益とも上方修正となり、EBITDAは167百万円(前期比+104.4%)を見込む。
- 売上高:従来1,373百万円→新1,450百万円
- 営業利益:従来56百万円→新101百万円
- 経常利益:従来45百万円→新100百万円
- 純利益:従来22百万円→新31百万円(1株当たり当期純利益7.92円)
- 修正理由:コラボテクノの連結子会社化に伴う連結業績予想への変更。下期はFDE事業の推進により売上高825百万円を織り込み
株主還元への言及
2026年12月期の配当予想は中間・期末とも0.00円(年間0.00円)で、直近公表の配当予想からの修正なし。前期2025年12月期も無配。期末自己株式数は64,000株で前期末から変動なし。会社は手元資金を戦略投資枠(年間1〜3億円)に充当する資本配分方針を示している。
財務状況
現預金1,098百万円に対し有利子負債66百万円と実質無借金を維持し、自己資本比率82.5%と高水準。一方、M&A・事業譲受により固定資産にのれん357百万円を計上し、資産構成は無形資産寄りにシフト。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び現金同等物 | 1,098百万円 | 期首比▲16.6%(当レポート試算) |
| 総資産 | 2,024百万円 | - |
| └ のれん | 357百万円 | 総資産比17.7%(当レポート試算) |
| └ 繰延税金資産 | 187百万円 | - |
| └ 売掛金及び契約資産 | 288百万円 | - |
| 自己資本 | 1,669百万円 | - |
| 有利子負債 | 66百万円 | 1年内返済分+長期借入金 |
| └ 1年内返済予定の長期借入金 | 41百万円 | - |
| └ 長期借入金 | 25百万円 | - |
| ネットキャッシュ | 1,031百万円 | 現預金-有利子負債(当レポート試算) |
| EBITDA | 41百万円 | 会社開示(営業利益+減価償却費・のれん償却費) |
決算発表と同時に出た適時開示
- 2026/08/14年間1〜3億円の戦略投資枠を設定し、Voice AI領域のスタートアップ等への出資・M&Aでエコシステム構築を推進 「Voice AI Agent Platform」エコシステム構築に向けた戦略投資方針について
- 2026/08/14個別プロダクト販売からAgent Platformモデルへの転換を宣言。ARR積み上げを収益構造の中核に据える方針 AIプラットフォーム企業への事業転換に向けた「Voice AI Agent Platform」戦略の策定について
- 2026/08/14連結決算開始に伴い通期予想を修正。売上高1,450百万円、営業利益101百万円へ引き上げ 連結決算開始に伴う連結業績予想に関するお知らせ
足許四半期中の主要発表
- 2026/05/15次世代AI実装事業「FDE」を開始。過去のM&A統合を基盤に、顧客現場でのAI導入・実装を一気通貫で支援 次世代AI実装事業「FDE(Forward Deployed Engineer)」開始に関するお知らせ
- 2026/06/29四国電力へ「FAST-Dモニタリングエディション」を提供開始。発電関連設備の常時監視でインフラ保全領域の実装が拡大 Hmcomm、四国電力への異常音検知AIソリューション「FAST-Dモニタリングエディション」を活用した設備監視を開始
- 2026/07/08コラボテクノとの統合で組織・開発・営業基盤の整備が完了。共同提案先10社、下期重点シナジーパイプライン6件を提示 (開示事項の経過)コラボテクノ株式会社との統合進捗およびAI駆動型開発・FDEモデルによる事業シナジー創出に関するお知らせ
- 2026/07/152026年12月期第2四半期(中間期)業績予想を修正 2026年12月期第2四半期(中間期)業績予想の修正に関するお知らせ
- 2026/08/05東邦ガスエナジーエンジニアリングへ「FAST-D」を提供。熱供給関連設備の常時監視で民間インフラ顧客が拡大 Hmcomm、東邦ガスエナジーエンジニアリングへの異常音検知AIソリューション「FAST-Dモニタリングエディション」を活用した設備監視を開始
過去1年間の大量保有報告/重要提案
- 三本幸司(共同保有者:三本智美): 35.55%→34.31%(2025/11/28、変更報告書No.1) - 三本幸司は創業者かつ取締役として経営への参加および安定株主としての保有、三本智美は安定株主としての保有。変更理由は300,000株の証券会社への担保提供に伴う重要契約の変更。重要提案行為等は該当なし
- 三本幸司(共同保有者:三本智美): 訂正後 三本幸司30.44%、三本智美3.90%(2025/12/05、訂正報告書) - 保有目的は上記と同様(経営参加・安定株主保有)
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