本コンテンツは、ENVALITHが2026年9月に実施した、Hmcomm株式会社 経営陣への取材(インタビュー)に基づき編集・構成したものです。記載内容はいずれも取材時点における経営陣の見解です。
経営者の「言葉」と「ビジョン」
創業の原点とパーパスの浸透度
同社の創業は、大手SIer(富士ソフト)でエンジニア、プロジェクトリーダー、管理職、取締役を経験する中で抱いた問題意識に端を発する。 日本には優れた技術やエンジニアが数多く存在する一方、それらが社会価値や産業の生産性向上に十分結びついていないという危機である。クラウドサービスの普及によってソフトウェアの開発・提供形態が大きく変化する中、日本のエンジニアが持つ技術を、より直接的に社会課題の解決へ結びつける必要性を強く感じるようになったという。 こうした経験と問題意識を踏まえ、2012年に独立。つくばの国立研究開発法人産業技術総合研究所が保有する音響解析技術と出会い、その研究成果を社会実装する「産総研技術移転ベンチャー制度」を活用して事業を立ち上げた。 創業当時から一貫しているのは、音に惚れ込み、「音から価値を創出し、革新的なサービスによって社会に貢献する」という考え方である。 当時は映像・画像解析への注目が高まる一方、非構造データの中でも解析難易度の高い「音」に本格的に取り組む企業は限られていた。そこに技術的な軸を定め、人の音声から工場・設備・社会インフラが発する産業音まで、幅広い音データの解析と社会実装に軸を置いて推進してきたとしている。 会社の成長に伴い、集まる人材も変化してきた。創業初期には、音響アルゴリズム、音響特徴量分析、機械学習などに関心を持つ研究開発人材が中心であった。その後は研究開発の成果を製品化・社会実装する人材が加わった。現在は、技術を開発するだけでなく、顧客の課題を理解し、AIを実際の業務成果へ結びつける「社会実装力」を持つ人材が事業成長の中心になっている。
5年後・10年後の世界観
ソフトウェア開発業界は、生成AIとAI Agentの普及によって大きな構造転換を迎えるとHmcommは捉えている。 従来は、多くのエンジニアを採用し、大規模な開発チームを組成して、設計、プログラミング、テスト、運用を人手で行うことが一般的であった。しかし今後は、プログラミングやテストの多くをAIが担う「AI駆動開発」が急速に広がり、人がコードを書くこと自体の価値は相対的に低下していくとみている。 それに伴い、ソフトウェア開発の課金単位も、人月を中心としたモデルから、AI Agentのライセンス、システム利用料、AIの駆動量に応じたUsage課金、継続的な運用・改善フィーへ急速に移行していくとの認識である。 同社は、大手SIerのように大量の人員を抱える方向ではなく、小さく柔軟に動ける企業としての特性を活かし、多数のAI Agentを開発・運用することで、顧客企業の幅広い業務を担うポジションを目指している。 その中核となるのが、Voice AI Agent Platform「VAAP」である。 従来、人月型の開発サービスとして提供してきた人力をVAAP上に実装し、顧客の業務にAI Agentを配置する形へ転換する。AI Agentが人と同様に業務を実行し、成果を測定しながら継続的に改善されることで、同社は単発のAI開発会社から、AI Agentを継続提供するプラットフォーム企業へ進化していく考えである。 一方で、顧客の経営課題や業務要件を理解し、すべてのプロセスをAIだけで設計・運用することは難しい。そのため、同社は顧客と直接向き合い、課題の発見からAI導入、業務実装、導入後の成果創出までを担う人材を「FDE」(Forward Deployed Engineering)と位置付けている。FDEが顧客の業務と成果を定義し、AI駆動開発によってAgentを構築し、導入後も顧客業務を継続的に見守りながら改善する。この体制により、人とAI Agentが共存しながら、AI Agentの稼働比率が継続的に高まる企業モデルを構築していく。
「人とAI Agentが共存し、人が顧客課題と成果に向き合い、AI Agentが大量の業務を実行する会社、 AI Agent 比率が圧倒的に高い会社になっていきたいと思っていますし、そうしないと生きていけないのだろうと思います」
成長ストーリーの考え方
TAM(有効市場)と成長の余白
- 主戦場の定義
同社は、企業のAI導入拡大と社会インフラの省人化需要を背景に、今後大きな成長が見込まれる主戦場を次の3領域と位置付けている。 第一は、あらゆる企業で今後本格化する、AI導入による業務改革・事業変革市場。 第二は、そこで開発・導入されるAI Agentを、企業が継続的に利用するリカーリング 第三は、異音検知技術「FAST-D」が対象とする産業・社会インフラ市場。生産年齢人口の減少による人手不足と、社会インフラの老朽化は、一時的な景気変動とは異なる構造的な社会課題である。企業業務のAI代替に加え、設備点検、予兆保全、インフラ監視などのフィジカルな業務においても、AIによる省人化・高度化の需要は継続的に拡大するとみている。VAAPが企業内の業務を担う「デジタルAI Agent」であるのに対し、FAST-Dは設備点検やインフラ監視を担う「フィジカルAI Agent」と位置付けられる。 デジタルとフィジカルの双方をAI Agent化できることが、Hmcommの中長期的な大きな市場機会となる。
- 成長余地
既存顧客の中でも、まだまだAIが適用されていない業務が多く残されている。同社は、これまで音声認識、コンタクトセンター、議事録、異音検知などの領域で大手企業との取引実績を積み上げてきた。既存製品のクロスセルに加え、顧客内の新たな業務課題をFDEが発見し、それをAI Agent化することで、1社当たりの取引規模を拡大できる余地がある。 単一製品の販売にとどまらず、顧客の複数業務へAgent/AgentSuiteを展開し、ライセンス、Usage、保守・改善による継続収益へつなげる方針である。
- 隣接市場への展開
今後、特に成長余地が大きいとみているのがFAST-Dの領域である。製造設備、電力、ガス、上下水道、地下設備などから得られる産業音や稼働データは、一般的なインターネット空間には存在しない、現場固有の「ダークデータ」である。これまで工場や設備の音を分析し、異常や故障の予兆を検知する社会実装を積み重ねてきた。この産業音データと解析ノウハウの蓄積を起点として、設備保全や社会インフラ監視の領域へ事業を拡大する。例えば、上下水道の点検には、危険を伴う作業や熟練者の経験に依存する業務が残されている。今後は、点検ロボット、ドローン、車両を活用したドライブバイ方式などとFAST-Dを組み合わせることで、点検業務の省人化と高度化を目指す。必要に応じて、インフラ点検会社、設備保全会社、ロボット・ドローン事業者、物流事業者などとのアライアンスやM&Aも活用し、AIシステムの提供にとどまらず、点検業務そのものを取り込む事業モデルを検討している。個別の検討案件については非開示であるものの、中長期的な成長領域として、事業提携やM&Aの可能性を継続的に検討していく方針である。
独自の競争優位性(Moat)
- 音声・産業音データの蓄積と解析技術
産総研の研究成果を社会実装する技術移転ベンチャーとして事業を開始し、人の音声から産業音まで、幅広い音データを分析する技術とノウハウを蓄積してきた。生成AIの急速な進展により、AIモデルを開発・改善するスピードは高まっている。その一方で、学習や業務実装に利用できる良質なデータの重要性は、むしろ高まっている。特に、工場、設備、社会インフラなどの現場から取得される産業音データは容易に入手できず、長年の顧客接点と社会実装によって蓄積されたデータと解析ノウハウが競争優位になると考えている。
- 一気通貫の社会実装力
AIの要素技術やミドルウェアを提供するだけでは、顧客の業務改革は実現しない。実際の導入では、顧客の業務フロー、基幹システム、セキュリティ要件、運用体制までを理解し、AIを既存業務へ組み込む必要がある。同社は、コンタクトセンターや製造現場における異音検知システムなど、顧客の実業務にAIを組み込む社会実装を長年手掛けてきた。顧客課題の発見、AIモデルの開発、既存システムとの連携、本番導入、導入後の運用・改善までを一気通貫で提供できることが、要素技術の提供を中心とする企業との差別化要因となっている。
- 自社AIエンジンによるオンプレミス・閉域対応
Hmcommは、自社AIエンジンを基盤としながら、オープンソース技術も取り込み、自社環境で管理・提供できる技術構成を強化している。これにより、クラウド上の外部AIサービスだけでは対応が難しいオンプレミス環境、閉域ネットワーク、エッジ環境への導入が可能となる。 機密情報を扱う企業、公共分野、金融、製造現場、社会インフラなどでは、セキュリティ、通信環境、ランニングコストを考慮したAI導入が必要になる。外部の生成AI APIを利用してアプリケーションを構築するだけでなく、AIモデル、データ、処理環境を自社でコントロールし、顧客要件に応じた品質とセキュリティを担保できる点は、重要な競争優位である。
KPIの先行指標
今後、従来の売上高やアカウント数に加え、人月型ビジネスからAI Agentのリカーリングビジネスへの転換状況を示すKPIを重視する。
| KPI | 備考 |
|---|---|
| AIソリューションの売上・アカウント数(社数) | 現時点の主要KPIとして開示 |
| AIプロダクトのアカウント数・売上 | リカーリング領域。ただし初期導入開発(NRE)分を売上に含んで開示しているため、大型導入時に売上が振れやすく、純粋な月次ライセンスフィーは非開示。投資家に理解されにくい点を課題と認識 |
| VAAP上のエージェント数/顧客に使われているエージェント数 | 今後開示を目指す指標 |
| ARR/MRR | ライセンスに相当する純粋な積み上がりを今後開示予定 |
| FDEの案件数 | 上流・下流を押さえる体制の進捗指標 |
| FDEからVAAPへのコンバージョン率 | 事業モデル転換の進捗を示す指標。下期・第3四半期・期末に向けて数字を積み上げ説明できるかが肝との認識 |
これまでのAIプロダクト売上には、月額ライセンスなどの継続収益に加え、初期導入開発であるNREが含まれていたため、大型案件の導入時期によって売上高が変動しやすい構造であった。今後は、NREと継続収益を可能な範囲で分離し、ARR/MRR、契約企業数、Agent数などを段階的に開示することで、リカーリングビジネスへの転換状況を投資家に分かりやすく示していく方針である。
収益構造と資本効率
売上高拡大のロードマップ
売上成長は、次の3段階で捉えている。 第1段階は、FDEが顧客の経営課題や業務課題を発見し、AI導入の対象業務と、達成すべき成果を定義する段階である。 第2段階は、顧客課題の解決に必要なAgent/AgentSuiteを設計・構築し、顧客の基幹システムや業務フローへ接続する段階である。 第3段階は、構築したAgentをVAAP上で継続稼働させ、月額ライセンス、Usage、保守・改善によるリカーリング収益を積み上げる段階である。
この循環が確立すれば、FDE案件が増えるほどAgentの本番導入が増え、それに伴ってARRとUsage収益が積み上がる。売上高だけでなく、粗利益と営業利益も継続的に拡大する、再現性のある成長モデルとなる。同社は、既存顧客へのクロスセル、主要製品・サービスの拡大、VAAPを通じたAgentの継続提供、資本業務提携などを組み合わせ、中長期的に年率30%程度の成長を継続することを目指している。インオーガニック成長については、M&Aを単純な売上規模の拡大手段ではなく、VAAP事業とオーガニック成長を加速させるための手段と位置付けている。特に、ソフトウェア会社やSES会社が持つ顧客接点と人材を、FDEおよびAI駆動開発へ転換することで、従来の人月型ビジネスからAI Agent型ビジネスへの構造転換を図る。M&Aによって加わった人材をFDEへリスキリングし、顧客課題を発見する力を拡大する。同時に、AI駆動開発基盤「FD-X」を活用してAgent/AgentSuiteの開発生産性を高める。これにより、FDE案件の獲得、Agentの開発、本番導入、ARR化までを連続的に拡大する「エージェントファクトリー」構想につながり得るとしつつ、現段階においては、継続的に検討していくとしている。
収益性改善のロードマップ
改善の経路は、大きく2つある。
第一は、FD-Xによる開発側の効率化である。 プログラミング、テスト、ドキュメント作成などをAI駆動化し、Agentを効率的かつ半自動的に開発・改善できる仕組みを構築する。これにより、同じ人員数でも、より多くのAgent/AgentSuiteを顧客へ提供できる体制を目指す。 第二は、「AI本社構想」による販管費の効率化である。 経理、人事、総務、法務、営業管理など、スタッフ部門で人が行っている定型業務をAgent化し、売上高の増加に対して販管費が比例して増加しない組織構造をつくる。 開発原価と販管費の双方をAIによって効率化しながら、継続収益比率と粗利益率を高めることで、中長期的に連結営業利益率20%以上を目指すとしている。
資本配分(キャピタル・アロケーション)の方針
| 優先順位 | 配分先 | 詳細 |
|---|---|---|
| 1 | VAAP・AI Agentへの成長投資 | VAAPを次の事業の柱と位置付け、Agent/AgentSuite、FD-X、セキュアな実行環境などへ優先的に投資する |
| 2 | 人材投資 | FDE、事業開発人材の採用・育成と、既存人材・M&A人材のリスキリングを進める |
| 3 | M&A・事業提携 | 顧客基盤、人材、データ、現場機能を獲得し、VAAP・FAST-Dのオーガニック成長を加速させる |
| 4 | 株主還元 | 当面は成長投資を優先し、事業成長と収益力の向上を通じた企業価値の拡大を重視する |
M&Aについては、連結売上高の規模拡大だけを目的とするのではなく、買収先が持つ顧客基盤、人材、技術、データをVAAP、FDE、FD-Xへ接続し、グループ全体のオーガニック成長を加速させる案件を中心に検討する。買収後は、既存事業とのシナジー創出と収益性の向上を重視し、資本効率を意識したPMIを推進するとしている。
ROE/ROIC目標: 現時点で具体的な数値目標を公表していないものの、今後は成長投資の成果、資本コスト、利益率とのバランスを踏まえ、資本効率を測る指標の設定と開示を検討する方針である。
リスクへの向き合い方とレジリエンス
- マクロ環境変化とIT投資抑制
海外大手LLM企業による巨額投資をはじめ、AIを取り巻く技術環境と競争環境は急速に変化している。 景気減速によって企業のIT投資が抑制される可能性はあるものの、同社が取り組む人手不足への対応、業務の省人化、設備保全、インフラ監視、安全性の確保は、企業や社会にとって先送りしにくい課題である。特に、具体的なコスト削減や人員不足の解消につながるAI Agentは、単なるIT投資ではなく、事業運営を維持するための投資として需要が拡大するとみている。
- 海外大手LLM企業の日本市場参入
海外大手LLM企業が日本市場で大きな経済圏を構築する可能性はある。一方、企業固有の業務、基幹システムとの連携、日本語音声、オンプレミス・閉域環境、工場内の産業音、地下設備などのダークデータ領域では、汎用的なLLMだけで業務を完結させることは難しいとの認識である。
- ポートフォリオによる事業耐性
事業会社の業務改善を担うAI Agent 領域と、FAST-Dによるインフラ保全領域という2つの柱を持つ。インフラの老朽化が進み、地方で監視の手足が不足する状況下では後者の需要が高まるため、景気減速・IT投資抑制・円安進行のいずれが起きてもポートフォリオを切り替えながら事業を継続できる体制を志向している。
ダウンサイドシナリオの想定
最大のダウンサイドリスクは、VAAPへの事業モデル転換の遅れとの認識である。 同社には音声AIや異音検知における技術力と社会実装実績がある一方、それらを統合したAI Agent企業としての認知は、今後さらに高める必要がある。 そのためVAAPでは、顧客が短期間で導入効果を確認できる標準化されたAgent/AgentSuiteを整備し、導入期間の短縮と価格の圧倒的な優位性を示す必要がある。 第二のリスクは、FDE案件がARRへ十分に転換されないことである。 FDE案件が個別のAIソリューション開発だけで完結した場合、売上高は増加しても、目指す継続収益型の事業構造には至らないとの認識であり、FDE案件の開始時点から、達成すべき対象業務、本番導入後のライセンス・Usageモデルを設計し、FDEからAgent/AgentSuite、ARRへの転換率を重点管理していくとしている。 第三のリスクは、M&A後のPMIと人材転換の遅れである。 M&Aによって加わった企業が従来型の人月ビジネスを継続するだけでは、グループ全体の収益構造は大きく変わらない。 買収後の早い段階からFDE、FD-X、VAAPのOJTを行い、人材の適性に応じた配置とリスキリングを進め、PMIの進捗を定量的に管理する方針としている。
ガバナンスと執行体制
- 役員報酬体系
現時点では株価連動報酬やストックオプションといった仕組みにはなっていない。ただし企業価値は売上高だけでなく成長率、ARR、利益率にも連動するとの認識のもと、開示計画を上回る内部事業計画を意識してクリアしていく方針である。これらに連動した報酬体系を今後検討する必要があるとしている。
- サクセッションプラン
各部門を1つの会社に見立てたカンパニー制度を敷き、執行役員がカンパニー長として人・モノ・カネに責任を負う体制である。売上のみならず利益・資本効率にも責任を持たせ、成果を出した人材が執行役員から取締役、さらにミッションを持った役付取締役へと登用される流れを構築している。加えて、カンパニーの評価指標の1つとして「後継者を指名し、2年でそのカンパニーを後継者にのれん分けする」ことを組み込んでおり、カンパニーが増殖し将来の取締役候補が育つ仕組みとしている。CEO自身についても、業績次第で任せられる後継者が育てばバトンタッチし、自らは別の役割を担う形になるとの認識である。
ESG・サステナビリティ
- 環境(E)
環境面では、FAST-Dによる故障予知・予兆保全が中心的なテーマとなる。設備の異常や故障予兆を早期に検知することで、エネルギー効率の悪化、大規模な設備停止、部品の損傷、緊急復旧作業などを抑制できる可能性がある。設備を長寿命化し、不要なエネルギー消費や交換部品を削減することにより、FAST-Dの事業拡大そのものが環境負荷の低減につながるとの認識である。
- 社会(S)
社会面では、人手不足と社会インフラの老朽化という課題への対応が事業と直結している。顧客企業で削減された業務時間、AI Agentが代替した業務量、設備点検件数、異常・故障の早期発見件数などを、社会的価値を測る指標として整理していく。AIによって人を単純に置き換えるのではなく、人がより付加価値の高い業務に移行できる環境をつくり、限られた人材で企業活動と社会インフラを維持できる状態を目指すとしている。
- ガバナンス(G)
ガバナンス面では、AIの業務利用拡大に伴い、情報セキュリティ、個人情報保護、AIの判断に対する人の監督、データ管理、操作履歴の監査などの重要性が高まる。同社は、自社AIエンジン、オンプレミス・閉域対応、権限管理などの技術基盤を活用し、安全かつ管理可能なAI Agentの提供体制を強化する。 今後は、AIガバナンスを含む重要指標を整理し、事業拡大とガバナンス強化を一体的に進めていく方針としている。
人的資本経営
人材の定着率は以前と比べて大きく改善し、相応の水準まで上がってきているとの認識である(具体的な数値への言及はなし)。業界全体の流動性が高く優秀な人材の流出入が激しい環境ではあるが、先端的な取り組みに従事でき、顧客課題を理解した上での課題解決アプローチが進んでいることが、定着につながっているとの見立てである。
背景には業界構造そのものの変化がある。従来のPM、SE、プログラマー、テスターといった工程の分業制は大きく変わり、人材の役割自体が転換期にあるとの認識である。したがって、これらの人材をいかに高付加価値業務へシフトさせ、役割転換を図るかが最重要テーマとなる。
自社社員のみならず、グループ会社や今後加わる企業に対しても、同社が定義するFDEの考え方を広く共有し、人的な事業転地を進める方針である。ソフトウェアで社会課題を解決し続けられる状態、すなわち人材が長期にわたって食べていける状態をつくることが同社の責任であるとしている。

