イオレ 3Q 決算速報

AI DC事業が3Q単独31億円と急成長し営業黒字転換、暗号資産評価損が経常利益を圧迫も事業基盤は拡大局面

2026年2月13日 23:00 JST

3Q決算を踏まえた評価点

AI DC事業の3Q単独売上高31億円(前四半期比2.2倍)が全社業績を牽引し、3Q累計売上高76.5億円(前期比+170.8%)と過去最高を達成。営業利益134百万円と黒字転換を実現し、既存AI UI事業も前年比+19.7%増と堅調に推移。

  • AI DC事業が3Q単独で31億円、累計46.2億円に到達。代理店販売網の構築とBlackwell採用次世代製品の取扱開始が寄与
  • AI UI事業は売上高3,054百万円(前年比+19.7%)、経営改革によるKPI管理徹底と選択と集中が奏功
  • 営業損失▲72百万円(前期3Q累計)→営業利益+134百万円へ黒字転換。AI DC事業のセグメント利益173百万円が牽引
  • 暗号資産金融事業が開発フェーズから運用フェーズへ移行、BTC運用年換算利回り13.8%と順調な立ち上がり
  • 「らくらく連絡網+」事業譲渡・旅行事業廃止など不採算事業の整理が完了し、経営資源の集中が進展

3Q決算を踏まえた懸念点

営業利益134百万円を計上するも、暗号資産評価損182百万円が営業外費用として発生し経常損失▲48百万円に転落。通期業績予想も経常損失▲533百万円、純損失▲505百万円へ下方修正され、BTC価格変動リスクが財務を圧迫する構造が鮮明に。

  • 暗号資産評価損182百万円を営業外費用に計上、営業利益134百万円を上回り経常損失に。BTC平均取得単価15,222,860円に対し期末時価が下落
  • 通期業績予想を修正、経常利益161百万円→▲533百万円、純利益162百万円→▲505百万円へ。BTC価格が年度末まで現行レート継続を前提
  • AI UI事業(インターネットメディア)のセグメント損失▲42百万円が継続。売上成長にも関わらず黒字化未達
  • 第三者割当新株予約権行使による希薄化リスク。発行済株式数26,489千株→38,254千株と約44%増加
  • 前受金2,596百万円が負債の78%を占め、AI DC事業のGPUサーバー販売に係る前受金の大きさが運転資本構造に影響

注目点/今後確認したいポイント

  • AI DC事業の4Q売上高(通期計画9,365百万円 - 3Q累計4,625百万円 = 4Q必要額4,740百万円)の達成可否。3Q単独31億円の成長トレンドが維持されれば射程圏内だが、大型案件の納入時期に依存する点に留意
  • 暗号資産金融事業のレンディングサービス「らくらくちょコイン」の貸借残高40億円突破後の拡大速度と、運用利回り(12月単月APY14%)の持続性。貸借料8%と運用利回りのスプレッド維持が収益化の鍵
  • 第14回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使進捗。12月末時点で50%超完了(5,253千株行使済)、残存潜在株式14,747千株(第14回残+第15回全量)の行使ペースが株価・希薄化に影響
経営陣への論点
  • AI DC事業の粗利率水準と今後の方向性(現状セグメント利益率3.7%の改善見通し)
  • GPUサーバー販売の大口顧客集中度と信用リスク管理体制
  • BTC保有方針の見直し基準(含み損がどの水準で方針転換を検討するか)
  • レンディング事業における運用パートナー(Gaia、J-CAM)への依存度と内製化のタイムライン
  • 第15回新株予約権(30億円)のAI DC事業投資への資金使途変更の具体的な投資計画
  • AI UI事業のセグメント損失▲42百万円の黒字化時期の見通し
  • 暗号資産金融事業の会計処理方針(レンディングBTCの貸借両建計上の監査法人との協議状況)
  • Neo Crypto Bank合同会社の連結範囲の拡大に伴うガバナンス体制
  • 福島県・鹿児島県データセンター事業参画の投資規模とリターン見通し

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高7,659百万円- (注1)
営業利益134百万円-
経常利益▲48百万円-
親会社株主に帰属する四半期純利益▲17百万円-
EPS▲0.522円-
売上総利益2,560百万円-
売上総利益率33.4%-
販売費及び一般管理費2,426百万円-
営業外費用(暗号資産評価損)182百万円-
特別利益32百万円事業譲渡益25百万円含む
包括利益▲14百万円-

(注1)当社は3Qより四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同四半期の数値なし。補足資料によれば、前期3Q累計(単体)売上高2,527百万円に対し当期は連結7,659百万円で前期比+170.8%。

事業セグメント別の業績

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
インターネットメディア(AI UI事業)3,030百万円+19.7%(注2)▲42百万円-▲1.4%
AIデータセンター4,625百万円- (新規)173百万円-3.7%
暗号資産関連3百万円- (新規)3百万円--
好調な事業
  • AIデータセンター事業:3Q単独31億円(QoQ+115.5%)。代理店販売網拡大とBlackwellアーキテクチャ採用製品の受注開始が成長を加速
  • ペット事業(休日いぬ部):売上38百万円、予算比+120%達成。ペット保険診断サービスのリリース等によりエンゲージメント向上
  • 求人検索エンジン:売上199百万円(予算比127%)、粗利42百万円(予算比118%)と予算超過達成
不調な事業
  • HRアド:売上17百万円(予算比40.8%)、利益7百万円(予算比40.2%)と予算未達が顕著
  • ジョブオレ:売上6百万円(予算比65.95%)と目標に対し大幅未達

業績予想比の進捗率

3Q累計売上高7,659百万円は修正後通期計画13,257百万円に対し進捗率57.8%。AI DC事業の4Q計画売上高は約47億円と3Q単独実績31億円を上回る水準が必要だが、成長加速トレンドを踏まえれば達成可能圏内。営業利益は3Q累計134百万円に対し通期計画201百万円で進捗率66.8%と概ね順調。

勘定科目数値 (3Q累計)通期計画進捗率
売上高7,659百万円13,257百万円57.8%
営業利益134百万円201百万円66.8%
経常利益▲48百万円▲533百万円-
純利益▲17百万円▲505百万円-
  • AI DC事業はGPUサーバー納入案件ベースのため、大型案件の期ズレリスクあり
  • AI UI事業のHR関連は新卒採用シーズン(1Q)に需要が偏る傾向

業績予想の変更有無

2026年2月13日付で通期連結業績予想を修正。売上高・営業利益は上方修正、経常利益・純利益は暗号資産評価損の計上により下方修正。

  • 売上高:従来12,291百万円→新13,257百万円(+966百万円、+7.9%)
  • 営業利益:従来163百万円→新201百万円(+38百万円、+23.3%)
  • 経常利益:従来161百万円→新▲533百万円(▲694百万円)
  • 純利益:従来162百万円→新▲505百万円(▲667百万円)
  • 修正理由:AI UI・AI DC事業は好調で売上・営業利益を上方修正。一方、3Q暗号資産評価損計上を受け、年度末まで現行BTCレートが継続する前提で経常利益・純利益を下方修正

株主還元への言及

2026年3月期の配当予想は期末0.00円(年間0.00円)で変更なし。無配継続。自己株式取得の言及もなし。

財務状況

3Qより連結財務諸表を初作成。暗号資産関連資産(自己保有・預け・貸付合計1,563百万円)がBS上で存在感を増す一方、前受金2,596百万円が負債の大半を占める構造。自己資本比率46.4%で一定の安定性を維持。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
総資産6,221百万円初の連結BS
└ 流動資産合計5,834百万円総資産の93.8%
└ 固定資産合計387百万円-
現金及び預金1,853百万円-
暗号資産関連(自己保有+預け+貸付)1,563百万円総資産の25.1%
前渡金1,539百万円GPU仕入関連と推定
純資産2,904百万円-
自己資本2,887百万円-
有利子負債合計189百万円短期79+長期110
└ 短期借入金79百万円-
└ 長期借入金110百万円-
利益剰余金▲1,482百万円累積赤字
EBITDA135百万円営業利益134+減価償却費1(弊社試算)

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/02/13
    BTC追加取得を開示。暗号資産評価損の計上及び通期連結業績予想の修正を発表 営業外費用(暗号資産評価損)の計上及び2026年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ
  • 2026/02/06
    「Neo Crypto Bank構想」におけるビットコイン(BTC)追加取得を開示 (開示事項の経過)「Neo Crypto Bank構想」におけるビットコイン(BTC)追加取得のお知らせ
  • 2026/02/03
    暗号資産運用パートナーGaiaへの出資を開示 【開示事項の経過】Gaiaへの出資に関するお知らせ

足許四半期中の主要発表

  • 2025/11/14
    通期業績予想を上方修正。GPUサーバー販売が想定以上に順調、既存事業の構造改革効果で収益性改善 2026年3月期通期業績予想の修正に関するお知らせ
  • 2025/12/02
    暗号資産金融事業のアナリティクスページを公開。BTC保有数量・取得単価・運用収益推移等を可視化 暗号資産金融事業における事業指数のアナリティクスページ公開のお知らせ
  • 2026/01/28
    暗号資産レンディングサービス「らくらくちょコイン」正式サービス開始。事前登録50億円相当 暗号資産レンディングサービス「らくらくちょコイン」のサービス開始に関するお知らせ
  • 2026/01/30
    SuperXなど4社とAIデータセンター事業に関する戦略的協業検討のための基本合意書を締結 AIデータセンター事業に関する戦略的協業検討のための基本合意書締結のお知らせ

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • SBI証券: 25.19%→24.17%(2025/10/02報告義務発生日) - 新株予約権の行使に伴う保有割合変動
  • SBI証券: 17.97%→15.87%(2025/11/21報告義務発生日) - 新株予約権行使の進展による潜在株減少
  • SBI証券: 15.87%→12.54%(2025/12/03報告義務発生日) - 同上
  • SBI証券: 12.54%→11.25%(2026/01/07報告義務発生日) - 新株予約権行使継続に伴う保有割合低下
  • 吉田直人(取締役会長): 筆頭株主として17.15%保有(2025年9月30日時点)
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