サマリー
FY27/4 1Qは売上高10,443百万円(+24.8%)、営業利益1,937百万円(+5.8%)と増収増益。説明会では、投資家の最大の関心事であった飲食業界のスポットワーク売上高成長率がFY25/10 2Q以降のマイナスから+4.0%へ転換し、8月もプラス継続と報告。転換の背景として、人手確保ではなく売上拡大ソリューションとして経営層に直接訴求する営業手法への転換、店舗別売上データを用いた機会損失の可視化とAB検証の実践が語られた。物流は冷夏・中東情勢・特定大手の取扱数量減が重なり7月に成長率が下落したが、要因特定済みで通期はレンジ内着地を見込む。
ポイント(決算の要点と成長アクション)
- 経営戦略と市場認識
- 今期テーマは守りから攻めへ、複数施策を同時並行で進め中期目標数値の明確化を志向。
- 飲食の成長鈍化要因は経営/本部主導の利用抑制と特定、単なる人手確保から売上拡大ソリューションへの訴求転換で反転。
- 長期アルバイト採用サポートプランを第2の収益柱と位置付け、スキマバイトから長期求人という大きなマーケットへ移行。
- 2026年9月10日の取締役会でプライム市場への区分変更申請準備を決議、働くインフラを担う立場としての覚悟を表明。
- 足元の事業進捗と要因
- 飲食では店舗の月次売上を受領し日次の予実・機会損失を可視化、増員時と非増員時の売上を比較検証する提案に転換。
- 給食・食堂運営のコントラクト業務が伸長、検便スキーム構築と稼働率維持の両立が模倣困難な参入障壁との認識。
- 物流の減速要因は中東情勢による原油・ナフサ由来商品の取扱減と輸入遅延、加えて特定大手の数量減で既存人員でのやり繰りが可能となった点。
- 小売は冷夏と前年の備蓄米需要の反動で外注人件費予算が縮小、BPR等のコンサルティング提案にリソースが偏りAA数増加で相殺できず。
- 戦略的な重要施策や変化点
- 長期アルバイト採用サポートプランを8月1日に本格展開、月額20,000円/拠点から。契約の9割がベーシックプラン(月額40,000円から)で、平均月額は40,000円近辺まで上昇。
- 本格展開前に約1年のPoCを設定し、求人媒体との採用単価を同条件で比較。タイミー優位が確認された企業から本導入が加速。
- 対象は飲食・小売に集中。物流は専用の料金プランの設計を経てから展開するとしタイムラグを設定。
- 物流深耕はField Manager約100名体制、スマートグループ機能活用拠点は2,000拠点を突破し派遣からの切替事例を創出。
- 介護福祉は選べる時間枠・シフト表・出勤時研修を連続リリースし稼働率と提案価値を強化。
今後の見通しと戦略
- 通期予想は売上高47,613〜48,823百万円、営業利益8,821〜9,746百万円。売上高・営業利益ともレンジ内着地を見込む。
- レンジ中央値に対する進捗は売上高21.7%、営業利益20.9%。営業利益進捗は前年(25.1%)を下回るが、前年は2Qにコストが集中しており上期ベースでは会社としてコントロール可能な範囲との説明。
- 基本シナリオでは飲食は4QでのYoYプラス転換、介護福祉は戦略的投資とベネッセキャリオス提携効果で成長加速を想定。飲食は計画を前倒しで達成。
- 長期アルバイト採用サポートプランは5年も経たずして100億円規模に近い事業になり得るとの見立てで、代表直下組織として投資を継続。
- 同プランは新卒・正社員の意向度が高いワーカーを優先マッチングするアルゴリズム提供により、月額10万円水準の支払意向も確認済みでアップセル余地あり。
- キャピタルアロケーションはM&A等の成長投資を最優先とし、未消化キャッシュは自己株買いを選好。
ポジティブ要因
- 飲食業界のスポットワーク売上高YoYが+4.0%とプラス転換し、8月もプラス成長を継続。
- 介護福祉は流通総額+59.2%、AA当たり流通総額も+5.4%とプラスに転じ、計画(基本シナリオ)を上回るペース。
- Field Manager配置拠点の流通総額はYoY2倍以上、配置人数増加後も効果が維持。
- 稼働率86.3%(+0.4pt)、平均テイクレート28.7%と収益性の基盤指標が高水準を維持。
- HR費用の対売上高比率はAI活用と業務効率化で▲1.2pt、削減分を攻めの費用へ再配分。
- 長期アルバイトプランはカニバリを生まず、スポットワーク未導入店舗の新規開拓や休眠復活に寄与。閑散期の平日の需要という新たな領域を獲得。
懸念事項・リスク
- 中東情勢の終息時期は読めず、物流量への影響はサプライチェーン下流の中小企業を中心に継続する可能性。
- 物流の特定個社(およびその下請け)の取扱数量減が利用減に直結、依存度軽減には未開拓大手の開拓が必要。
- 物流大手の一部は長期派遣からの切替で生産性低下を懸念し意思決定に踏み切れず、日雇い規定・税・社保面の説明にも時間を要する。
- 小売はAA数が想定より軟調で、天候等の一過性要因が剥落するまで成長率の押し下げが残存。
- スポットワーク以外は営業損失▲405百万円(前年同期▲219百万円)、通期でも▲1,803百万円の赤字計画。
- 売上総利益率は89.7%へ▲4.4pt。タイミーソリューションズ連結により全社の利益率構造が変化。
業績ハイライト
FY27/4 1Qは売上高10,443百万円(+24.8%)、売上総利益9,363百万円(+19.0%)、営業利益1,937百万円(+5.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,273百万円(+1.3%)。営業利益率は18.6%と▲3.3ptだが、上期まで継続する戦略的投資とスポットワーク以外の新規事業立ち上げによるもので計画通りの進捗。スポットワークはマクロ要因・特定個社要因で計画対比やや軟調、スポットワーク以外は計画を上回る。
セグメント別業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| スポットワーク | 9,653百万円 | +16.3% | 2,355百万円 | +14.8% |
| スポットワーク以外 | 857百万円 | 12.2x | ▲405百万円 | ― |
| うちタイミーキャリアプラス | 137百万円 | +169.3% | ― | ― |
| うちタイミーソリューションズ | 638百万円 | 56.8x | ― | ― |
| 連結調整 | ▲66百万円 | ― | ▲12百万円 | ― |
- 流通総額: 33,687百万円 (前年同期比 +18.8%)
- 平均テイクレート: 28.7%
- アクティブアカウント数: 242千拠点 (前年同期比 +12.8%)
- AA当たり流通総額: 138千円 (前年同期比 +5.3%)
- 稼働率: 86.3% (前年同期比 +0.4pt)
- 業界別流通総額: 物流 15,127百万円(+22.0%)、小売 8,865百万円(+18.3%)、飲食 4,910百万円(+4.8%)、介護福祉 1,665百万円(+59.2%)
- 募集人数: 前年同期比 +13%
- 登録ワーカー数: 14.7百万人 (前年同期比 +23%)
- 登録クライアント事業所数: 48.8万拠点 (前年同期比 +24%)
Q&A 一覧
- Q: 業界別の状況について、小売は6月の天候要因ということで一過性かと思うが、物流の中東情勢や一部大手の取扱量の減少が気になる。どういった要因で取扱量が減少したのか、お話しいただける範囲で具体的に教えてほしい。A: 中東情勢についてはいつ終わるかがなかなか読めないところだが、一定期間も過ぎており、1年、2年、3年ずっと続くというものではないので、一定マクロ要因と考えている。具体的な内容としては、中東情勢によって原油価格が上がり、石油由来の、主にナフサを含めてそういった商品の取扱いが少なくなっていたり、海外からの輸入のディレイが起きていて、そういったところで物流量が減っており、一部影響が起きてしまっている。大手の取扱数量の減少について、具体的な個社名はお話が難しいが、全体として大手の取扱数量が月次で減少している中で、スポットワークを使うというよりは社内の既存人員で一定やり繰りができるため、タイミーの利用が一部減ってしまっている。
- Q: 今後改善が見込まれるということだが、具体的にどのような改善を見込んでいるのか。A: 対策としては、それをずっと待っているというよりも、大手のお客様もタイミーのペネトレーションが100%というわけではないので、タイミーがまだ入っていない拠点の営業開拓を進めている。そこで売上を上げつつ、取扱数量が一部戻ってくればタイミーの利用も戻ってくるので、今対応できていないところもやりつつ、下がってしまっているところが戻るときにすぐタイミーを利用できる状態にしていくという形で、両方カバーする対策を行っている。もう一つ、物流については大手のお客様の全てが入っているわけではないので、一つのところに集中するよりも、まだ開拓ができていない大手が多数存在するため、そこの開拓を順次進めることでポートフォリオの分散を行いつつ、バランスの取れた売上拡大ができる体制にしていく手を打っている。
- Q: 大手の数量減少というところに関しても、基本的には中東情勢によってということなのか。A: そうである。それ以外にも要因はあるが、それも一つ影響があるというところ。
- Q: 長期アルバイト採用プランは求人媒体からのシェア獲得ということなので、前回の説明通りスポットワークとのカニバリはないという理解でよいか。A: 資料の右の3行目に書いてあるが、既存の求人媒体のみを利用しているスポットワーク未導入店舗の新規開拓、スポットワークの利用も加速させるというところで、これはポジティブな誤算だが、カニバリが発生するかと思ったところ、発生するどころか、今までタイミーを使っていなかった店舗がこのプランなら使いたいということで、休眠復活や新規導入につながっている。タイミーは金土日にお客様がいっぱい来る波動が生まれるのでそのときに使いたい、でも月火水木はあまり使いたくない、そこは求人媒体かなというところで、そもそも少し違うマーケットだった。我々がこの月火水木のマーケットにも入れるようになってきたことは非常に大きいと思っている。
- Q: 長期アルバイトサポートについて、現状契約しているところは業種別では飲食や小売が多いのか。業種ごとの特徴や傾向があれば教えてほしい。A: より波動が生まれて相性がよい飲食と小売に絞ってやっている。物流の場合は料金プランを変更し、それでもエコノミクスが合う状況をしっかり作る実験が必要なのでタイムラグを用意している。今は飲食と小売業の、特に求人媒体をたくさん使っている企業をリストアップしてアプローチしている状況。
- Q: 大手物流顧客について、新規開拓できる余地がまだ大手の中に残っているという論点を伺いたい。すでに取れている顧客には何かが刺さっていて、逆にそれをもってしてもまだ刺さりきれていない顧客が存在するのか。なぜ大手顧客で取れていないところが残っているのか、現状をどう分析しているか。A: やはり長期の派遣を長く使われている会社が、じわじわとお取引があるので、そこをタイミーに切り替えるのはコストは上がっているけれど生産性が下がりそうだというところで、経営陣がより一層そこに踏み切る意思決定がなかなかできず、積極的に提案をしても突破できないというところが一部ある。それ以外では、スポットワークが新しいサービスであるため、リーガル的な、税金や社保などのところが、自社の社内規定に日雇い規定もない中で使えるのかと言われる会社も若干ではあるが存在する。そこは丁寧に説明をしながら、利用の価値、タイミー導入によってどれくらいのコストメリットが生まれるか、このリスクは軽微なのでしっかり導入したほうがよいということを丁寧にお話ししている。
- Q: その状況を踏まえると、すでに使っている物流事業者の実際の事例を紹介することなどによって、時間をかければその問題は割と解決するという楽観的な見方をしておくのがよいか。A: そうである。導入できないわけではないのは間違いない。かつ、非常に長期の派遣に頼っていた拠点も、今タイミーに変えてもクオリティが下がることなくこれくらいコスト削減できたという事例集もできてきているので、こういう会社でこういう事例があるということが少しずつ刺さって、では始めてみようかという形で、直近でも新しく拡大傾向にある大手企業もあるため、時間をかければ必ず突破できると思っている。
- Q: 長期アルバイト採用について、足元の月額4万円ぐらいで使っていただいているというコメントがあったが、実際問題どのぐらいの月額利用料を見ているのか、料金体系的なシーリングがどのぐらいにあるのか、また2万円からスタートして今4万円に持っていけている背景を解説いただきたい。A: ライトプラン アプローチ、ライトプラン コネクト、ベーシックがあるが、今はベーシックプランをメインで販売している。ベーシックプランが4万円からで、9割方のお客様がベーシックプランになってきているのが現状。ベーシックとライトの違いは、ライトプラン アプローチの場合はアルバイト就業に関心があるワーカーにアプローチができるが、その人が働いた後に意向があったかどうかのアンケート回収などがシステム的にできない。ベーシックプランの場合は、タイミーで募集したときにアルバイトを探しているワーカーが優先的にマッチングするだけでなく、その人がその店舗に入りたいと思ったという意向度を確認でき、AIメッセージなどを用いてぜひうちの店舗で働きませんかという後追いができ、コンバージョンレートを上げる仕組みづくりをしているので、基本的にベーシックをお勧めしている。ライトプランを使う企業は、店長にそういうところの余力があり、しっかりわかっているから頑張る、安いほうがよいという企業。基本的には工数がそれほどかからないプランを販売していきたい。
- Q: 中長期的な見方として、この上にプレミアムのようなものが出てくることで月額料金のアップセルが見込めると考えるべきか、あるいは今後利用拠点が拡大することで裾野が増え、ある程度ダイリューションすることも込みで月額料金のアップサイドはそれほど見に行くべきではないのか。A: こちらはまだまだ伸びる余地があると思っている。例えば今はアルバイトの話をしているが、新卒や正社員の意向度がある方を優先的にマッチングするアルゴリズムを提供することによって、正社員もなかなか取れない労働集約型産業が多いなかで、そこで採用できるのなら月10万でも払うという声をいただいているので、まだまだ伸びる余地はあると思っている。
補足:新領域の取り組み
- フィジカルAI領域でZEALSと共創パートナーシップを締結。データ収集業務や導入・運用支援のスポットワーク設計を検討し、ロボット製造ではなく導入・運用・メンテナンスを担う立場を志向。
- どの現場が人手不足でどのような業務が存在するかのデータ蓄積を強みに、労働集約型産業のDXをR&Dとして推進する構想。
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