タイミー 1Q 決算速報

スポットワーク流通総額+18.8%と拡大継続、営業利益率24.4%の本業収益力と下期成長加速の布石を確認する1Q

配信日2026年9月10日 18:29 JST

1Q決算を踏まえた評価点

売上高10,443百万円(前年比+24.8%)、営業利益1,937百万円(同+5.8%)と増収増益。主力スポットワークは流通総額33,687百万円(+18.8%)、平均テイクレート28.7%を維持し、AA数増加を軸とした成長メカニズムが継続。天候・地政学要因の下でも売上・営業利益は通期レンジ内着地見込みを会社が明言。

  • 決算短信の前年同期欄は決算期変更に伴う11-1月期であり、比較対象期間が異なる。本レポートの前年比は会社が説明資料で開示する前年同期(FY25/10 3Q、2025年5-7月)比を使用
  • スポットワーク営業利益2,355百万円(前年比+14.8%)、利益率24.4%と前年同期24.7%からほぼ横ばい。戦略的投資継続下でも本業の収益性を維持
  • 介護福祉の流通総額+59.2%、AA数+51.0%と高成長維持。AA当たり流通総額も+5.4%とプラス転換し、大手集中戦略が単価面でも奏功
  • 飲食のスポットワーク売上高成長率が計画前倒しでプラス転換(1Q +4.0%)。経営層向けソリューション提案とコントラクト業務への横展開が寄与
  • 自己資本比率46.6%(前期末42.4%)、有利子負債12,990百万円へ圧縮しネットキャッシュ2,990百万円(当レポート試算)。財務余力を確保

1Q決算を踏まえた懸念点

物流・小売でマクロ要因と特定個社要因が重なり、全社流通総額成長率は前Q+24.9%から+18.8%へ鈍化。加えてスポットワーク以外の立ち上げ費用と原価構造変化で全社営業利益率は18.6%(前年比▲3.3pt)へ低下。

  • 全社売上総利益率89.7%(前年比▲4.4pt)。タイミーソリューションズ連結とField Manager増員により売上原価率が+4.4pt上昇
  • 物流はAA当たり流通総額+1.4%と伸び幅が限定的。冷夏、中東情勢の影響および特定個社(およびその下請)の取扱数量減少が利用減に直結、依存度低減の進捗が課題
  • 小売はAA数+11.3%と想定より軟調。冷夏と前年の備蓄米需要の反動による外注人件費予算縮小をAA数増で相殺できず
  • スポットワーク以外の営業損益は▲405百万円と前年同期▲219百万円から赤字幅拡大。通期計画も▲1,803百万円を織り込む
  • 営業利益進捗率20.9%は前年同期間25.1%を下回る。下期偏重の利益計画であり、上期投資の効果発現時期の確認が必要

注目点/今後確認したいポイント

  • 物流の特定個社要因の剥落時期と、未開拓大手クライアント開拓によるAA当たり流通総額の再加速。会社はFM配置拠点の流通総額が2倍以上と開示しており、FM約100名体制の横展開効果を確認したい
  • 小売のAA数回復。長期アルバイト採用サポートプランのクロスセルを起点としたスポットワーク未導入店舗の新規開拓が、BPR提案偏重だったリソース配分をどこまで補正するか
  • 介護福祉の稼働率改善。ベネッセキャリオス経由の顧客紹介と業界特化機能(選べる時間枠、シフト表、出勤時研修)が下期の成長率反転にどの程度寄与するか
経営陣への論点
  • 物流特定個社の影響額と、未開拓大手クライアント獲得による代替の時間軸
  • 小売AA数の回復に向けた営業リソース再配分の具体策と効果発現時期
  • 下期スポットワーク営業利益率25.9%(上限シナリオ)想定の前提条件
  • 介護福祉における「有資格ワーカー獲得」から「稼働」への比重移行の進捗指標
  • プライム市場区分変更申請の想定スケジュールと形式要件充足の現状認識

主要業績ハイライト

(前年比は会社開示の前年同期=FY25/10 3Q、2025年5-7月との比較。決算短信の前年同期欄は11-1月期であり期間が異なる)

勘定科目数値前年同期比
売上高10,443百万円+24.8%
└ スポットワーク9,653百万円+16.3%
└ スポットワーク以外857百万円12.2倍
売上総利益9,363百万円+19.0%
└ 売上総利益率89.7%▲4.4pt
営業利益1,937百万円+5.8%
└ 営業利益率18.6%▲3.3pt
経常利益1,888百万円-
親会社株主に帰属する四半期純利益1,273百万円+1.3%
EPS12.76円-
流通総額33,687百万円+18.8%
平均テイクレート28.7%-
アクティブアカウント数242千拠点+12.8%
AA当たり流通総額138千円+5.3%
稼働率86.3%+0.4pt

経常利益1,888百万円は営業外費用55百万円(支払利息43百万円、支払手数料10百万円)計上後の水準。売上原価1,079百万円は対売上高10.3%(前年比+4.4pt)で、タイミーソリューションズ連結とField Manager費用が押し上げ要因。HR費用は同▲1.2pt、業務委託料は同+0.9ptに抑制。

事業セグメント別の業績

決算短信の報告セグメントではタイミー事業の外部顧客売上高9,909百万円・セグメント利益1,981百万円、その他(タイミーソリューションズ事業)が533百万円・▲44百万円。以下の表は会社が説明資料で開示するサービス区分ベースで、前年同期(FY25/10 3Q)と比較可能な基準。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
スポットワーク9,653百万円+16.3%2,355百万円+14.8%24.4%
スポットワーク以外857百万円12.2倍▲405百万円-▲47.3%
連結調整▲66百万円-▲12百万円--
合計10,443百万円+24.8%1,937百万円+5.8%18.6%
好調な事業
  • 介護福祉業界:流通総額+59.2%、スポットワーク手数料+58.4%。大手クライアントへの営業リソース集中でAA数+51.0%、AA当たり流通総額も+5.4%とプラス転換
  • 物流業界:流通総額+22.0%とマクロ・特定個社要因下でも20%超を維持。FM配置とスマートグループ機能(活用拠点2,000超)が派遣からの切り替えを創出
  • 飲食業界:流通総額+4.8%とプラス転換。経営層向けソリューション提案と給食・食堂運営等コントラクト業務への横展開が需要を掘り起こし
  • タイミーキャリアプラス:売上高137百万円(前年比2.6倍)。キャリアアドバイザーの面談決定率改善で生産性が向上
不調な事業
  • 小売業界:AA数+11.3%と想定より軟調。冷夏による季節需要の未発現と前年の備蓄米需要の反動で外注人件費予算が縮小、BPR提案へのリソース偏重も影響
  • スポットワーク以外(全体):営業損益▲405百万円と赤字幅拡大。複数の新規事業が立ち上げフェーズにあり先行費用が先行

業績予想比の進捗率

通期レンジ中央値に対し売上高21.7%、営業利益20.9%の進捗。売上高は前期1Q21.5%、前々期1Q21.3%と同水準で推移する一方、営業利益は前期1Q25.1%を下回る。会社は上期に戦略的投資を集中させる計画と説明しており、下期の利益拡大を前提に売上高・営業利益ともレンジ内着地を見込むとしている。

勘定科目数値(第1四半期累計)通期計画(レンジ中央値)進捗率
売上高10,443百万円48,218百万円21.7%
営業利益1,937百万円9,283百万円20.9%
経常利益1,888百万円9,268百万円20.4%
親会社株主に帰属する当期純利益1,273百万円6,464百万円19.7%

(通期計画は会社開示レンジ47,613~48,823百万円等の中央値。売上高・営業利益の進捗率は会社開示、経常利益・純利益の進捗率は当レポート試算。会社はレンジ両端に対する売上高進捗率21.4%~21.9%、営業利益19.9%~22.0%も開示)

  • 前Q(2-4月)は会社説明で「季節性(閑散期)」とされ、稼働率はQoQで低下する傾向
  • 会社計画では下期(11-4月)にスポットワーク売上高のYoY成長率が加速し、YoY増加額も拡大する想定

業績予想の変更有無

2027年4月期の連結業績予想は2026年6月11日公表内容から変更なし。通期売上高47,613~48,823百万円、営業利益8,821~9,746百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,002~6,927百万円のレンジ形式を維持。上期累計は売上高22,056~22,560百万円、営業利益3,997~4,388百万円。

株主還元への言及

2027年4月期の配当予想は0.00円(中間・期末とも)で、直近予想からの修正なし。期末自己株式数は1,007,203株と前期末824,003株から増加、自己株式は△1,051百万円から△1,275百万円へ拡大。会社はキャピタルアロケーション方針として成長投資(M&A・出資等)を最優先とし、未消化キャッシュの株主還元は機動性を重視して自社株買いを選好すると説明。

財務状況

短期借入金の圧縮と利益蓄積により自己資本比率は46.6%へ改善。有利子負債を上回る現預金を保有し、ネットキャッシュ状態を維持。

主要数値

勘定科目数値補足情報
現金及び預金15,980百万円前期末比▲3.4%
立替金12,111百万円前期末比▲4.0%
自己資本17,014百万円前期末比+6.6%
有利子負債12,990百万円前期末比▲8.7%
└ 短期借入金12,300百万円返済により1,200百万円減少
└ 1年内返済予定の長期借入金139百万円-
└ 長期借入金550百万円-
ネットキャッシュ2,990百万円当レポート試算(現預金-有利子負債)
差入保証金807百万円支社オフィス移転で265百万円増加
EBITDA2,029百万円当レポート試算(営業利益+減価償却費79+のれん償却12)

(第1四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、現金及び預金を記載)

レバレッジ指標

指標数値補足
Net Debt/EBITDA▲1.5倍ネットキャッシュのためマイナス。当四半期EBITDA基準、当レポート試算
Debt/Equity0.76倍当レポート試算(有利子負債÷自己資本)
インタレストカバレッジレシオ44.9倍当レポート試算(営業利益÷支払利息)
自己資本比率46.6%会社開示、前期末42.4%

決算発表と同時に出た適時開示

  • 2026/09/10
    東証プライム市場への市場区分変更申請に向けた準備を取締役会で決議。中長期の成長と企業価値向上を企図、申請日・承認日は未定 東京証券取引所プライム市場への市場区分変更申請に向けた準備に関するお知らせ
  • 2026/09/10
    1Q決算説明資料を公表。飲食のプラス成長転換、業界別KPI、通期レンジ内着地見込みを提示 2027年4月期 第1四半期決算説明資料
  • 2026/09/10
    スポットワーク市場の四半期動向レポートを公表。市場データ発信による業界プレゼンス強化の一環 スポットワーク市場・クォータリーレポート【2026年5-7月期】

足許四半期中の主要発表

  • 2026/06/11
    NTTドコモおよび住信SBIネット銀行と金融領域における業務提携の基本合意書を締結。ワーカー向け金融サービスの事業化を検討 タイミー、株式会社NTTドコモ及び住信SBIネット銀行株式会社と金融領域における業務提携に関する基本合意書を締結
  • 2026/07/30
    新サービス「長期アルバイト採用サポートプラン」を8月1日より本格展開。月額20,000円/拠点からの課金で求人広告予算の獲得を狙う タイミー、新サービス「長期アルバイト採用サポートプラン」を2026年8月1日より本格展開
  • 2026/08/03
    Field Manager事業等の完全子会社への吸収分割が効力発生。スキマワークスをタイミーソリューションズへ商号変更し周辺事業を再編 完全子会社への会社分割(簡易吸収分割)に関するお知らせ
  • 2026/08/27
    日比谷花壇と業務提携。花き業界での導入支援・業務切り分け・人材育成を推進し業界特化型展開を拡大 タイミー、日比谷花壇と業務提携——花き業界におけるスポットワーク活用と人材育成を推進
  • 2026/08/27
    ジールスとフィジカルAI向けデータ収集領域で共創パートナーシップを締結。新たなスポットワークカテゴリの創出を共同検討 タイミー、フィジカルAI時代の新たな仕事創出に向けた共創パートナーシップをジールスと締結

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • トライヴィスタ・キャピタル: 0.00%→5.34%(2026/08/07) - 投資一任契約による純投資
  • Fidelity Management & Research Company LLC: 0.00%→5.74%(2026/06/09) - グループの資産運用・管理機能に関連した保有
  • Fidelity Management & Research Company LLC: 5.74%→5.64%、5.64%→3.05%(2026/06/23) - 同上、保有比率引き下げ
  • FMR LLC: 0.00%→5.74%(2026/02/20)、5.74%→5.64%(2026/03/06)、5.64%→3.05%(2026/03/23) - 顧客財産を信託証書・契約等に基づき運用するための保有
  • FMR LLC: 7.09%→3.97%(2026/01/09) - 同上、ポジション縮小
  • Recolle(共同保有者:小川嶺): 28.35%→28.33%(2026/02/10) - 代表取締役の資産管理会社としての安定株主保有
免責事項

株式会社エンヴァリス(以下「エンヴァリス」といいます。)は、国内外の機関投資家、国内の個人投資家に対して、本邦の上場会社への投資を検討する際に必要な情報を提供することで、グローバルならびに本邦資本市場の発展に貢献することを目的として、専属リサーチ・カバレッジ業務を行っております。

  • 目的と投資判断に関する免責

    本レポートは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券その他の金融商品の取得、売却、または保有を勧誘するものではありません。また、特定の投資、財務、または税務に関する助言を構成するものでもありません。本レポートに含まれるいかなる意見、判断、または推奨も、投資活動の誘導を意図するものではなく、投資決定は、投資家ご自身の責任と判断に基づき行われるべきものであり、エンヴァリスおよび対象企業は当該投資決定にいかなる関与もしない点、ご留意ください。

  • 情報源、正確性、および保証の否認

    本レポートは、対象企業からの正式な依頼に基づき、当該企業への取材や提供された情報を利用して作成されています。本レポートの利用にあたっては、以下の点をご承諾いただいたものとみなします。 1. 情報源 エンヴァリスは、公に入手可能な情報、対象企業より開示された情報および取材等で提供された情報が真実かつ信頼できるものである前提で本レポートを作成しています。エンヴァリスにおいて、これらの情報の真実性に関する独自の事実確認や検証は行っておりません。 2. 正確性 本レポートに記載されている提供情報の解釈、分析、およびそれに基づく仮説や結論は、前項の情報を基に、エンヴァリスが独自の視点と分析手法を用いて独立して導き出したものです。 3. 保証の否認 対象企業により開示された情報に誤りや遺漏があった場合、それに起因する本レポートの内容の誤謬について、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責を負いかねます。本レポートの正確性、安全性、妥当性、完全性等ならびに対象企業の過去のパフォーマンスや将来のパフォーマンスについて、明示的にも黙示的にもエンヴァリスおよび対象企業はいかなる保証もいたしません。

  • 責任の限定

    本レポートまたは本レポートから得られた情報を利用したことにより発生したいかなる費用、損害、または損失(直接的、間接的、付随的、結果的、または懲罰的損害を含む)についても、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責任を負いません。本レポートの利用者は、その利用が自己の責任において行われることを承諾するものとします。

  • 利益相反の可能性

    エンヴァリスは、対象企業と、現在または将来において、取引関係を有する可能性があります。したがって、本レポートの客観性に影響を及ぼす可能性のある利益相反が存在する可能性があることを、投資家の皆様はご認識ください。

  • 報告内容の変更・更新義務の否認

    本レポートの内容および意見ならびに本レポートの作成の前提とした情報は、作成日時点のものであり、今後、予告なく変更される場合があります。エンヴァリスは、本レポートの内容を最新のものに更新する義務を負わず、投資家の皆様は情報の最新性についてご自身でご確認いただく必要がある点、ご留意ください。

  • 言語の優先順位

    本レポートは、日本語、英語および中国語で作成されていますが、各言語版の内容に相違または解釈上の差異が生じた場合には、日本語版を正本として取り扱い、日本語版の内容が優先されるものとします。

  • 著作権

    本レポートに関する一切の権利(著作権を含む)はエンヴァリスに帰属します。エンヴァリスの事前の書面による許可なく、本レポートの全部または一部を複製、再配布、またはその他の方法で利用することを禁じます。

  • 他の投資商品への利用

    本レポートならびにエンヴァリスおよび対象企業の商標および商号は、エンヴァリスが書面により事前に承認した場合を除き、いかなる投資商品(価格、リターン、パフォーマンスが、本レポートに基づいている、または連動している投資商品、例えば金融派生商品、仕組商品、投資信託、投資資産等)の情報配信・取引・販売促進・広告宣伝に関連して使用することを禁じます。