MFS 通期 決算速報

INVASE買取再販モデルの通期黒字化とCPA半減によるモゲチェック収益性改善を確認、CAPS新設で実需不動産仲介への展開が焦点

配信日2026年8月13日 17:40 JST

通期決算を踏まえた評価点

INVASE事業が仲介から買取再販への構造転換を完了し初の通期黒字を達成、モゲチェック事業もCPA▲56%・ROAS476%と収益効率が過去最高水準に到達した。両セグメントの同時黒字は2期連続の連結黒字をより質の高いものとし、営業利益は業績予想比+11.1%で着地。

  • INVASE契約件数678件(前期比+97.7%)、買取再販モデル定着で通期セグメント利益58百万円を計上し初の年度黒字
  • モゲチェックCPA前年同四半期比▲56%、広告宣伝費率21%まで低下しマージン(売上−広告宣伝費)が過去最高水準
  • 繰延税金資産129百万円の計上により法人税等合計▲93百万円、純利益308百万円(前期比+92.8%)と利益の上振れに寄与
  • 2027年6月期は営業利益371百万円(前期比+67.0%)を計画、CAPSを軸に実需不動産仲介への新規参入を予定
  • 新株発行・減資による資本政策を実施し、資本剰余金の拡大で利益剰余金の累損解消を促進

通期決算を踏まえた懸念点

モゲチェック事業の売上高は1,251百万円(前期比▲36.8%)と減収が続き、金利上昇に伴う金融機関の広告宣伝費抑制が構造的な逆風となっている。INVASE事業は売買モデルのボラティリティが課題として顕在化し、3Q銀行審査基準変更で一部案件が翌期ズレ、通期INVASE予算は未達。

  • モゲチェック事業の売上高前期比▲36.8%、ユーザー登録数121千件(同▲9.7%)と集客力が鈍化
  • 売上高営業利益率2.7%(前期8.3%)へ低下、INVASE買取再販に伴う原価率上昇(売上原価6,405百万円、同+756.1%)が主因
  • 営業CF▲1,015百万円、販売用不動産1,328百万円(前期比+1,247百万円)の積み増しで運転資本が膨張
  • 有利子負債910百万円(前期ゼロ)が新たに発生、自己資本比率70.6%(前期87.7%)へ▲17.1pt低下
  • INVASE事業のセグメント利益率0.8%と薄く、不動産市況反転時の耐性に不透明感

注目点/今後確認したいポイント

  • CAPSの実需仲介サービスが収益化するタイムラインと、モゲチェック・INVASEとのクロスセル効果の定量的な見通し。2027年6月期4Qまでに「CAPS内売買」を実現する計画の進捗が重要
  • モゲチェック事業における金融機関API連携・MCP開発の商業化スケジュールと、不動産会社100社利用目標の達成可否。金融機関の広宣費依存からの脱却がトップライン回復の鍵
  • INVASE事業の販売用不動産残高1,328百万円の回転効率と、金利上昇局面での仕入れリスク管理体制。借入金910百万円の返済計画と運転資本管理方針
経営陣への論点
  • CAPS実需仲介における差別化ポイントと、既存大手不動産仲介プレイヤーとの競争戦略
  • モゲチェックMCP経由のマネタイズモデル(課金体系、単価設定)の具体像
  • 販売用不動産の在庫回転日数目標と、市況悪化時の損切りルール
  • INVASE事業の組織再編(2026年10月コンドミニアム社への承継)後のセグメント開示方針
  • 金融機関API連携の対象行数と、実行課金モデル定着後の単価の方向感
  • 不動産会社向けダッシュボード提供の課金モデル(SaaS型/成果報酬型)
  • 2027年6月期の販売用不動産残高の上限目安と資金調達計画
  • CAPS価格指数の精度維持コストと競合AI査定サービスとの精度比較の持続性
  • 全国保証との資本業務提携の具体的なシナジー内容と今後の展開
  • 配当方針の見直し時期の目安

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高8,317百万円+185.0%
売上原価6,405百万円+756.1%
売上総利益1,912百万円▲11.9%
販売費及び一般管理費1,689百万円▲14.4%
営業利益222百万円+12.7%
経常利益215百万円+8.6%
親会社株主に帰属する当期純利益308百万円+92.8%
EPS31.99円+81.4%
潜在株式調整後EPS31.95円+82.4%
包括利益309百万円+93.8%
ROE12.2%+4.7pt
総資産経常利益率6.6%▲1.4pt
売上高営業利益率2.7%▲5.6pt
BPS277.37円+13.3%

売上高の前期比+185.0%はINVASE事業の買取再販モデル移行に伴うグロスアップ(物件売買の総額計上)が主因。グロスアップ控除後の売上高は2,295百万円(前期比▲21.4%)。純利益の業績予想比+104.5%の上振れは、繰延税金資産129百万円の計上による法人税等調整額▲95百万円が主因。

事業セグメント別の業績

モゲチェック事業は「送客課金→実行課金」への収益認識変更影響が3Q以降一巡し売上安定化。広告宣伝費を前期比▲45%に抑制しセグメント利益を確保。INVASE事業は買取再販モデルの定着で売上が前期比+654.5%(グロスアップ控除後+91.8%)と急拡大し、初の通期黒字を達成。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
モゲチェック事業1,251百万円▲36.8%164百万円▲64.7%13.1%
INVASE事業7,066百万円+654.5%58百万円黒字転換0.8%
好調な事業
  • INVASE事業(買取再販):契約件数678件(前期比+97.7%)、インフレによる資産価格上昇と人気エリア特化の仕入戦略が奏功。賃貸管理の拡充でワンストップ化を実現
  • モゲチェック事業(広告効率):ROAS476%(前年同期比+265%)、SEO自然流入増加でCPA前年同四半期比▲56%を達成
不調な事業
  • モゲチェック事業(トップライン):売上高前期比▲36.8%、金利上昇局面でネット銀行の広告宣伝費抑制が継続。ユーザー登録数121千件(同▲9.7%)
  • INVASE事業(予算達成):銀行審査基準変更による3Q一部案件遅延と成約の翌期ズレにより通期予算未達。売買モデルのボラティリティが課題

業績予想比の進捗率

通期実績であり進捗率の概念は適用外。2026年5月14日発表の修正予想(売上高8,092百万円、営業利益200百万円)に対し、売上高102.8%、営業利益111.1%、純利益204.5%といずれも上回って着地。純利益の大幅超過は繰延税金資産計上によるもの。

勘定科目通期実績通期計画(2026/5/14修正)達成率
売上高8,317百万円8,092百万円102.8%
営業利益222百万円200百万円111.1%
経常利益215百万円191百万円112.7%
純利益308百万円150百万円204.5%
  • モゲチェック事業:住宅ローン需要は春(1-3月)の引越しシーズンにピーク、お盆・年末は閑散期。来期も売上・営業利益は下期偏重を想定
  • INVASE事業:不動産売買は年度末・年末に成約集中しやすく、お盆・年末等の閑散期は仕入れ・販売ともに鈍化。来期は体制強化の所要期間も含め下期偏重を計画

来期の業績予想

2027年6月期はINVASE事業の売買件数増加とローンサービス拡大、CAPSによる実需仲介の立ち上げを前提に売上+23.1%、営業利益+67.0%を見込む。モゲチェック事業は金融機関の広宣費抑制継続を前提に売上微減も営業利益+23.7%を計画。

  • 売上高: 10,241百万円 (+23.1%)
  • 営業利益: 371百万円 (+67.0%)
  • 経常利益: 369百万円 (+71.6%)
  • 純利益: 368百万円 (+19.3%)
  • EPS: 36.11円 (+12.9%)

株主還元への言及

2026年6月期の年間配当は0円(前期と同額)。2027年6月期も年間配当0円の予想。利益剰余金が▲999百万円と累損解消途上であり、配当実施の時期は未定。

財務状況

販売用不動産の積み増し(+1,247百万円)に伴い有利子負債910百万円が新たに発生、自己資本比率は70.6%(前期87.7%)へ低下。一方、新株発行・減資による資本政策で資本剰余金が+829百万円増加し、利益剰余金の累損は▲999百万円まで縮小。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金1,905百万円前期比+4.6%
販売用不動産1,328百万円前期比+1,524.8%
流動資産合計3,548百万円前期比+58.2%
固定資産合計454百万円前期比+56.3%
総資産4,008百万円前期比+58.0%
有利子負債910百万円前期ゼロから新規発生
└ 短期借入金600百万円-
└ 1年内返済予定の長期借入金107百万円-
└ 長期借入金203百万円-
自己資本2,828百万円前期比+27.1%
EBITDA250百万円営業利益222百万円+減価償却費28百万円

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/08/13
    繰延税金資産129百万円の計上(法人税等調整額▲95百万円)により純利益が業績予想比+104.5%で着地。連結・個別ともに予想値との差異を開示 繰延税金資産の計上及び2026年6月期通期業績予想と実績値との差異並びに通期個別業績の前期実績値との差異に関するお知らせ
  • 2026/08/12
    CAPS査定対象を竣工前の新築マンション525棟に拡大、実需売買への集客基盤を強化 マンションAI査定サービス「CAPS」、価格推定対象を竣工前の新築マンションへ拡大

足許四半期中の主要発表

  • 2026/07/13
    全国14.6万棟対象の無料マンションAI査定サービス「CAPS」をリリース。モゲチェック・INVASEとの連携による不動産テック総合サービス化の起点 不動産AI査定サービス「CAPS(キャップス)」をリリース
  • 2026/07/21
    INVASE事業を2026年10月にコンドミニアム社へ吸収分割で承継する組織再編を決議。投資用不動産関連機能の集約による効率化を企図 グループ内組織再編(完全子会社との会社分割)によるINVASE事業の承継に関するお知らせ
  • 2026/07/22
    全国マンション価格指数「CAPS Index」を無料公開。都道府県別・築年数別等の市況把握を可能にし、データ起点のサービス展開を加速 日本初※、全国14.6万棟のAI査定にもとづくマンション価格指数「CAPS Index」を無料公開
  • 2026/07/24
    モゲチェックMCPサーバーを開発・公開。Claude・Codex等のAIエージェントから住宅ローン情報へリアルタイムアクセスが可能に 住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」、AIエージェント向けMCPサーバーを開発し、住宅ローン情報の提供を開始
  • 2026/05/14
    2026年6月期通期業績予想を上方修正。INVASE売買モデル好調を受け売上高を37.79億円→80.92億円へ修正 2026年6月期通期業績予想の修正に関するお知らせ

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • 全国保証: 0.0%→10.0%(2026/01/08) - 発行者との資本業務提携を目的とした保有
  • 結キャピタル・パートナーズ: 8.20%→9.43%(2025/08/22) - 純投資
  • 楽天証券: 6.27%→5.27%(2026/08/07) - 証券業務に係る一時保有のため(ポジション調整)
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