MFS 3Q 決算速報

INVASE買取再販モデルが売上3倍増を牽引、モゲチェック実行課金移行が一巡し両事業黒字化を達成した3Q決算

配信日2026年5月14日 17:18 JST

3Q決算を踏まえた評価点

INVASE事業の売買モデル転換が結実し物件契約件数484件(前年比+93.6%)を達成、売上4,867百万円と前年比約12倍に拡大。モゲチェック事業は課金モデル移行が一巡し3Q単体で黒字回復、CPA前年比▲49.6%と広告効率が顕著に改善。両セグメントが黒字化を達成した点は収益構造転換の節目として評価できる。

  • INVASE事業の物件契約件数484件(前年比+93.6%)、売買モデル転換で売上4,867百万円と前年比12倍超の伸長
  • モゲチェック事業は3Q累計で黒字回復(セグメント利益14百万円)。広告宣伝費率35.3%と過去最低水準を記録
  • 広告宣伝費の効率化(CPA前年比▲49.6%)とROAS前年比+72%改善により、利益重視体制への転換が進展
  • 通期業績予想を上方修正(営業利益200百万円、旧予想195百万円)。モゲチェック事業は利益95.5%上振れ想定
  • 生成AIを活用した「AIアドバイザー」「住宅ローン診断コメント」のリリースなどサービスAI化が進行

3Q決算を踏まえた懸念点

売上高5,764百万円(前年比+194.7%)の一方、営業利益64百万円(同▲63.3%)と売上成長に利益が追随しておらず、INVASE売買モデルの粗利率(グロスアップ控除後ベースの売上総利益率は約63%)の持続性に注視が必要。モゲチェック事業の売上は前年比▲43.2%と縮小が続いており、実行課金モデル下でのトップライン回復が課題。

  • モゲチェック事業売上896百万円(前年比▲43.2%)、ユーザー登録数95,301件(同▲7.9%)と集客は縮小基調
  • 有利子負債が0→748百万円に急増(短期借入金411百万円、長期借入金等337百万円)。自己資本比率87.7%→72.6%に低下
  • INVASE事業は銀行審査基準変更により3Q単体売上が前四半期比横ばい、当初計画比で売上・利益ともに不足
  • 販売用不動産が81百万円→919百万円へ急増。不動産市況悪化時の在庫リスクに留意
  • 役員に対する長期貸付金が50百万円→140百万円に増加。ガバナンス面の説明責任が求められる

注目点/今後確認したいポイント

  • モゲチェック事業の実行課金モデル移行完了後、来期以降のトップライン回復(広告宣伝費増額)の具体的計画と売上成長率の見通し。Vision2030の市場シェア10%目標に向けた進捗が試される局面
  • INVASE事業の売買モデルにおける適正在庫水準と回転率の管理方針。3Q末販売用不動産919百万円の消化ペースと4Q以降の仕入計画
  • 金利上昇局面における金融機関のオンライン広告予算動向とモゲチェックへの影響。固定金利(フラット35)顧客獲得再開の収益貢献時期
経営陣への論点
  • 実行課金モデル下でのモゲチェック事業の通期売上目標1,224百万円の妥当性と来期トップライン回復シナリオ
  • INVASE事業における販売用不動産の適正在庫水準と在庫回転日数の目安
  • 役員に対する長期貸付金90百万円増加の具体的使途と回収計画
  • 特別金利提供行3行の継続性と追加獲得のパイプライン
  • AIエージェント(MCP開発)による住宅ローン審査申込の収益化モデルと時期
  • INVASE事業の銀行審査基準変更の具体的内容と4Qでの回復見込みの根拠
  • 不動産会社(オフライン)チャネル経由のモゲチェック利用開始時期と収益インパクトの見立て
  • 賃貸管理(PM)事業の現時点での管理戸数と来期目標
  • 全国保証との資本業務提携による具体的シナジー効果の定量化
  • Vision2030における2030年6月期モゲチェック売上200億円・INVASE売上50億円に向けた中間KPI設定の有無

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高5,764百万円+194.7%
売上原価4,383百万円+1,593.6%
売上総利益1,380百万円▲18.6%
販売費及び一般管理費1,316百万円▲13.5%
営業利益64百万円▲63.3%
経常利益77百万円▲55.5%
親会社株主に帰属する四半期純利益57百万円▲55.1%
EPS6.10円▲57.0%
潜在株式調整後EPS6.08円▲57.0%
包括利益58百万円▲54.4%

INVASE事業の売買モデル移行に伴い売上原価が前年比約16倍に拡大。売上総利益率は86.8%→24.0%に低下したが、これはグロスアップ(物件売買の総額計上)の影響であり、グロスアップ控除後の売上総利益率は約83%と前年と同水準。営業利益の▲63.3%はモゲチェック事業の収益モデル転換に伴う一時的な売上減が主因。

事業セグメント別の業績

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
モゲチェック事業896百万円▲43.2%14百万円▲96.2%1.7%
INVASE事業4,867百万円+1,186.8%49百万円黒字転換1.0%
合計5,764百万円+194.7%64百万円▲63.3%1.1%
好調な事業
  • INVASE事業(売買モデル):物件契約件数484件(前年比+93.6%)、グロスアップ控除後売上767百万円(同+102.8%)。仲介→買取再販モデル転換が奏功し、CAPM(AI価格モデル)による割安物件の選定・販売体制が確立。2四半期連続で黒字達成
  • モゲチェック事業(広告効率):CPA7,006円(前年比▲49.6%)と広告投資効率が改善。広告宣伝費率35.3%は過去最低水準を記録し、ROAS前年比+72%
不調な事業
  • モゲチェック事業(トップライン):売上896百万円(前年比▲43.2%)。送客課金→実行課金モデル移行に伴う収益後ろ倒しと、金利上昇局面における金融機関のオンライン広告予算削減が直撃。審査申込数45,118件(前年比▲18.5%)、ユーザー登録数95,301件(同▲7.9%)
  • INVASE事業(計画比):銀行の審査基準変更の影響で3Q単体の売上(グロスアップ控除後)は270百万円と前四半期比横ばいに留まり、当初計画比で売上・利益ともに不足

業績予想比の進捗率

3Q累計営業利益64百万円の通期計画200百万円に対する進捗率は32.0%。修正後通期計画ベースでのセグメント別ではモゲチェック事業が累計14百万円/通期113百万円(13.2%)、INVASE事業が累計49百万円/通期86百万円(57.0%)と偏りがある。モゲチェック事業は4Qに営業利益98百万円(営業利益率30.0%)を計画しており、達成には過去最高の利益率が必要。売上進捗率71.2%に対し営業利益進捗率32.0%は低いが、両事業とも4Qに黒字計画を掲げており、通期黒字達成の蓋然性は一定程度ある。

勘定科目数値 (3Q累積)通期計画進捗率
売上高5,764百万円8,092百万円71.2%
営業利益64百万円200百万円32.0%
経常利益77百万円191百万円40.3%
純利益57百万円150百万円38.5%
  • モゲチェック事業は住宅購入シーズン(1-3月)に集客がピークとなる傾向。3Qは通常トップラインが最も高い四半期だが、今期は広告宣伝費抑制により鈍化

業績予想の変更有無

本決算発表と同時に通期業績予想の修正を開示。INVASE事業の売買モデルによるグロスアップ増加の影響を反映し、売上高を上方修正。営業利益はモゲチェック事業の上振れとINVASE事業の下振れが相殺し微増。

  • 売上高:従来3,779百万円→新8,092百万円(+113.8%)
  • 営業利益:従来195百万円→新200百万円(+2.5%)
  • 経常利益:従来186百万円→新191百万円(+2.5%)
  • 純利益:従来146百万円→新150百万円(+3.4%)
  • 修正理由:INVASE事業の売買モデル拡大に伴うグロスアップ(物件売買総額計上)の増加が売上高上方修正の主因。グロスアップ控除後売上は事業計画比▲14.1%。セグメント別ではモゲチェック事業の営業利益を58百万円→113百万円(+95.5%)へ上方修正、INVASE事業は137百万円→86百万円(▲36.8%)へ下方修正

株主還元への言及

2026年6月期の配当予想は期末0.00円(年間合計0.00円)で変更なし。前期(2025年6月期)も無配。自己株式取得の実施・方針に関する言及なし。

財務状況

INVASE事業の売買モデル拡大に伴い有利子負債を新規調達し、自己資本比率は87.7%→72.6%に低下。ただし純資産は2,592百万円と前期比+361百万円増加しており、第三者割当増資(全国保証向け267百万円)と利益蓄積が寄与。販売用不動産の急増(+838百万円)が資産膨張の主因。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金1,914百万円前期比+5.1%
販売用不動産919百万円前期比+1,024.1%
総資産3,551百万円前期比+40.0%
└ 流動資産合計3,198百万円前期比+42.6%
└ 固定資産合計345百万円前期比+19.0%
有利子負債748百万円前期0→新規調達
└ 短期借入金411百万円-
└ 1年内返済予定の長期借入金107百万円-
└ 長期借入金230百万円-
自己資本2,577百万円前期比+15.8%
EBITDA85百万円営業利益64百万円+減価償却費21百万円

決算発表と同時に出たニュース

該当なし

足許四半期中の主要発表

  • 2026/02/24
    MFSモゲチェックファンド#1がFundsプラットフォームで設定、INVASE事業の不動産売買資金として累計2億円を調達 MFSモゲチェックファンド#1

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • 全国保証: 0.00%→10.00%(2026/01/08) - 発行者との資本業務提携を目的とした保有(第三者割当、1株262円、1,019,600株)
  • 結キャピタル・パートナーズ: 8.20%→9.43%(2025/08/22) - 純投資
  • 結キャピタル・パートナーズ: 6.82%→8.20%(2025/05/19) - 純投資
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