1Q決算を踏まえた評価点
金属部門の営業利益が前年比+157.6%の2,019百万円へ急伸し、銅価格上昇(431.75→604.38¢/lb)と円安(144.59→159.49円/$)の追い風を取り込んだ。全社営業利益5,088百万円は通期計画14,000百万円に対し進捗率36.3%と想定超の出足。
- 金属部門(鉱山)は銅価格+40.0%上昇に加え生産コスト減少が減販を吸収して増益、アタカマ鉱山の収益力が顕在化
- 金属部門(製錬)は為替影響および副産物収益・販売プレミアム改善により増益
- 売上総利益率20.2%(前年比▲1.2pt)に低下。売上総利益は11,617百万円(同+17.3%)
- 政策保有株式売却益2,759百万円を計上、純利益4,782百万円(同+45.0%)に貢献
- 資本効率向上に向け自己株式取得を推進、1Q末時点で自己株式は前期末比3,012百万円増加
1Q決算を踏まえた懸念点
経常利益は4,470百万円(前年比▲0.6%)と営業利益の伸びが営業外で相殺された。持分法投資損失450百万円、為替差損322百万円、デリバティブ評価損290百万円が重荷。
- 持分法適用会社(日比共同製錬等)が投資利益263百万円→投資損失450百万円へ悪化、製錬環境の変化に留意
- アルケロス鉱山が7月の豪雨で建設工事を一時中断、2026年7-9月の操業開始スケジュールに遅延リスク
- 石灰石販売数量が5,722千t→5,199千tへ▲9.1%減、鉄鋼・セメント・骨材の全用途で減販も、会社側は期末に向けて回復を想定
- 水処理剤(ポリテツ)の原材料価格高騰で機械・環境事業の営業利益は489→419百万円へ▲14.4%減益
- 長期借入金が44,719→53,069百万円へ+18.7%増加、アルケロス鉱山等への投資資金調達が負債増に
注目点/今後確認したいポイント
- アルケロス鉱山(権益80%、銅量換算で年産1.5万t計画)の豪雨被害からの復旧時期と操業開始への影響。通期業績計画に織り込まれているコスト投下との整合性が焦点
- 1Q銅価格604.38¢/lbは通期前提550.00¢/lbを約10%上回る水準。Q2以降の市況次第で通期営業利益の上振れ余地があるか、為替前提155円/$との乖離も含め確認が必要
- 米国Oracle Ridge銅探鉱プロジェクトなど海外資源開発パイプラインの進捗と投資規模
- アルケロス鉱山の操業開始遅延が通期業績予想に与える定量的影響と修正の要否
- アルケロス鉱山の豪雨被害に対する保険カバー範囲と追加コストの見込み
- 持分法投資損失(日比共同製錬)悪化の主因と今後のTC/RC環境の見通し
- デリバティブ評価損290百万円の内容と今後のヘッジ方針
- 石灰石の用途別減販トレンドの背景と数量回復の時期見通し
- Puquios銅鉱山開発プロジェクトの開発決定時期の目途
- 水処理剤ポリテツの原材料価格高騰への価格転嫁の進捗と袖ヶ浦ケミカルセンター稼働による効果
- 政策保有株式の追加売却方針と残高の縮減目標
- 自己株式取得の今後の方針
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 57,406百万円 | +24.4% |
| 売上原価 | 45,789百万円 | +26.4% |
| 売上総利益 | 11,617百万円 | +17.3% |
| 販売費及び一般管理費 | 6,529百万円 | +3.9% |
| 営業利益 | 5,088百万円 | +40.5% |
| 経常利益 | 4,470百万円 | ▲0.6% |
| 税金等調整前四半期純利益 | 7,568百万円 | +51.5% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 4,782百万円 | +45.0% |
| EPS | 61.27円 | +46.2% |
| 包括利益 | 8,256百万円 | +231.5% |
事業セグメント別の業績
金属部門が銅価格・為替の追い風で売上高・営業利益ともに全セグメント中最大の増加幅を記録し、連結業績を牽引。鉱石部門は価格上昇で増収も石灰石の数量減で利益横ばい。機械・環境事業は環境商品の増収を原材料高が打ち消し減益。不動産・再生可能エネルギーは安定推移。
セグメント別業績表
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鉱石 | 17,958百万円 | +4.7% | 2,478百万円 | ▲0.3% | 13.8% |
| 金属 | 34,737百万円 | +41.8% | 2,019百万円 | +157.6% | 5.8% |
| 機械・環境 | 4,236百万円 | +10.4% | 419百万円 | ▲14.3% | 9.9% |
| 不動産 | 687百万円 | ▲5.5% | 445百万円 | +3.9% | 64.8% |
| 再生可能エネルギー | 478百万円 | ▲1.3% | 183百万円 | ▲5.9% | 38.3% |
- 金属部門(鉱山・銅精鉱):銅価格431.75→604.38¢/lb(+40.0%)が増収の主因。プラント故障で数量は10,067t→7,497tへ▲25.5%減販も、価格上昇と生産コスト減少で増益
- 金属部門(製錬・電気銅):国内販売価格上昇で売上高16,648→23,787百万円(+42.9%)。為替影響および副産物収益・販売プレミアム改善で増益
- 金属部門(その他):電気金・銀の増販および価格上昇で売上高2,882→5,930百万円(+105.8%)
- 鉱石部門(石灰石):販売数量5,722千t→5,199千t(▲9.1%)、鉄鋼向け▲10.2%、セメント向け▲7.5%、骨材向け▲9.3%と全用途で減販。売上高9,380→8,949百万円(▲4.6%)
- 機械・環境事業(営業利益):水処理剤の原材料価格高騰で営業利益489→419百万円(▲14.3%)
業績予想比の進捗率
営業利益の1Q進捗率36.3%は通期計画が減益(前期比▲25.6%)を見込むなかで高水準の出足。ただし会社側はQ2以降のアルケロス鉱山へのコスト投下本格化、前年Q2の不動産売却益の剥落等を見込み、通期計画線の着地を想定。1Q銅価格604.38¢/lbが通期前提550.00¢/lbを上回っており、市況次第では上振れ余地あり。
| 勘定科目 | 数値 (1Q累計) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 57,406百万円 | 232,500百万円 | 24.7% |
| 営業利益 | 5,088百万円 | 14,000百万円 | 36.3% |
| 経常利益 | 4,470百万円 | 11,500百万円 | 38.9% |
| 純利益 | 4,782百万円 | 12,000百万円 | 39.9% |
- 石灰石はQ1は顧客トラブルで減販。会社側は期末に向けた数量の戻りを想定
- Q2以降はアルケロス鉱山の開発コスト投下が本格化し、営業利益のQ偏重(Q1高・Q2-Q4低)を見込む
業績予想の変更有無
2026年5月13日公表の通期業績予想から変更なし。売上高232,500百万円(前期比+10.9%)、営業利益14,000百万円(同▲25.6%)、純利益12,000百万円(同▲14.5%)を維持。アルケロス鉱山の豪雨影響については精査中であり、今後の修正可能性に留意。
株主還元への言及
2027年3月期の年間配当予想は62.00円/株(中間31.00円、期末31.00円)で変更なし。連結配当性向40%を目途とし、配当下限値を固定額34円/株に設定。いずれか高い方を採用する方針。自己株式取得は1Q期間中に進行し、期末自己株式数が1,317,977株→2,522,877株へ増加(+1,204,900株)。
財務状況
長期借入金が8,349百万円増加し有利子負債は拡大傾向にあるが、自己資本158,111百万円を有し財務基盤は堅固。アルケロス鉱山の開発投資が資金需要の中心。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 総資産 | 326,951百万円 | 前期末比+5.3% |
| └ 流動資産合計 | 138,116百万円 | 同+5.5% |
| └ 固定資産合計 | 188,834百万円 | 同+5.2% |
| 現金及び預金 | 39,586百万円 | 前期末比▲8.9% |
| 棚卸資産 | 50,133百万円 | 前期末比+36.7% |
| 投資有価証券 | 51,234百万円 | 前期末比+2.7% |
| 有利子負債 | 70,626百万円 | 短期17,557+長期53,069 |
| └ 短期借入金 | 17,557百万円 | 前期末比▲0.2% |
| └ 長期借入金 | 53,069百万円 | 前期末比+18.7% |
| 自己資本 | 158,111百万円 | 前期末比+0.5% |
| EBITDA | 6,776百万円 | 営業利益5,088+減価償却費1,688 |
決算発表と同時に出たニュース
足許四半期中の主要発表
- 2026/07/29チリ共和国の集中豪雨でアルケロス鉱山への主要公道の橋が決壊、建設工事を一時中断。2026年7-9月の操業開始への影響を精査中 (開示事項の経過)(アルケロス鉱山開発プロジェクト)チリ共和国での豪雨影響に関するお知らせ
- 2026/06/02千葉県袖ケ浦地区にポリテツ大型貯蔵タンク基地(総貯蔵容量約3,600トン)が竣工、6月より稼働開始。原料調達のタイト化に対応し安定供給体制を強化 ポリテツ大型貯蔵タンク基地(袖ヶ浦ケミカルセンター)竣工のお知らせ
- 2026/05/112026年3月期通期業績予想を上方修正。経常利益167→202億円、純利益105→140億円へ引き上げ。銅価格上昇・円安・副産物収益良化が主因。期末配当も48円へ増額 業績予想の修正及び期末配当予想の修正に関するお知らせ
過去1年間の大量保有報告/重要提案
- みずほ銀行・みずほ証券・みずほ信託銀行・アセットマネジメントOne(共同保有): 5.84%→6.30%(2026/03/06) - みずほ銀行は取引関係強化目的、みずほ証券はディーリング・レンディング目的、アセットマネジメントOneは投資信託・投資一任契約に基づく保有
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